認知獲得から購買促進までフルファネルをカバー
松尾(Criteo):メーカーのご担当者の中には、外部配信を上位ファネルへのアプローチ手段と捉える方もいれば、「うちは楽天市場に出店して間もないから、外部配信は時期尚早だ」と考える方もいるかもしれません。しかし、今回の新広告ソリューションでは楽天のオーディエンスデータ、Criteoのオーディエンスとクリエイティブ、そしてエンジンの組み合わせにより、様々なフェーズのマーケティング戦略に対応できる点が大きな強みとなっています。
澤見(楽天):一般的に認知施策ではYouTubeなどの動画プラットフォームを活用しますが、複数のプラットフォームで広告を配信すると、ユーザーデータが分断され、効果測定が困難になります。その点、新広告ソリューションを活用すれば、アウトストリーム動画による認知施策から、静止画によるミドルファネルへのアプローチ、そしてダイナミック広告によるコンバージョン施策まで、一気通貫で同一ユーザーへの広告配信と効果測定が可能です。
このように、ファネルの上位から下位までカバーできる点が新広告ソリューションの強みです。今後はこの特長を活かした提案および型化を推進していきたいです。
広告に接触したユーザーの分析も支援したい
──今後、両社でどのようなことにチャレンジしたいとお考えですか? 展望をお聞かせください。
澤見(楽天):CriteoのIDベースのデータと楽天市場内のCriteoタグから得られるデータを統合し、メーカー様にとってより価値のあるレポートを創出したいです。さらには楽天市場の消費行動分析データに加え、Criteoが保有するオーディエンスを活用したリーチ拡大など、新たな取り組みにもチャレンジしていきたいと考えています。
秦(楽天):短期的には、CVやROASで高い効果を実証することが重要な目標です。加えて、この広告ソリューションがROASの改善だけでなく、潜在層の育成などにも意義があることを示していく必要があります。
意義を示すためには、様々な中間KPIを用いた効果測定が不可欠です。たとえば「検索行動への好影響」や「商品ページの閲覧数」などのKPIは、Criteoのタグを活用することで測定することができます。今後はより多くのクライアントに活用いただけるよう、新広告ソリューションの価値を磨き上げていきたいです。
日下部(Criteo):当社がチャレンジしたいのは、レポーティングの高度化です。一般的な広告施策では「ROASがどのくらい改善したか」「新規ユーザーがどのくらい流入したか」などの報告で完結してしまうことが多いと思います。
新広告ソリューションでは、楽天のAIエージェント「Rakuten AIris」などを活用しながら、広告でアプローチしたユーザーの属性や関心のある商品カテゴリーなどを詳細に分析し、クライアントが次の施策に活かせるような支援を強化したいと考えています。
松尾(Criteo):楽天と当社の取り組みをさらに前進させることで、メーカー様にとってより価値の高いソリューションを提供できると考えています。この新広告ソリューションをきっかけに、データを活用して購買意欲の高い消費者を効率的に取り込み、その効果を可視化することができるリテールメディアの本質的な価値に気付いていただき、市場の発展に貢献していきたいです。