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超高級車ブランド「ベントレー」はどんなマーケティングをしているのか?究極の1to1マーケを学ぶ

 超富裕層向けの自動車ブランドとしれ知られる「ベントレー」。ブランドの知名度は高い一方で、その扉は限られた人にしか開かれておらず、販売台数も世界で年間1.5万台程だと言います。販売台数を闇雲に上げるのではなく、顧客満足度を極限まで高め、その結果としてLTVを向上させていく――ベントレーではどのような1to1マーケティングを行っているのでしょうか? ベントレー東京 芝ショールームにお邪魔し、ベントレー モーターズ ジャパンの遠藤克之輔氏に、お話をうかがってきました。

速く、快適で、美しい。超高級車ブランド「ベントレー」の流儀

MarkeZine編集部:超高級車ブランドとして知られるベントレーですが、改めてブランドの成り立ちや歴史、特徴などを教えてください。

遠藤:ベントレーは、1919年にイギリスでW.O.ベントレーにより設立されたブランドです。W.O.はアイディアと創意工夫にあふれたエンジニアで、当時まだ普及していなかったテクノロジーを駆使して「まだ世の中に存在しない車」を生み出してきました。W.O.ベントレーが追及したクルマ作りの精神は今もそのまま引き継がれています。

ベントレー モーターズ ジャパン ブランドダイレクター 遠藤克之輔氏
ベントレー モーターズ ジャパン ブランドディレクター 遠藤克之輔氏

 ベントレー車の特徴は、「速さ」「快適さ」、そしてその「美しさ」です。5~6時間のドライブ後もお客様が「まだ乗っていたい」とおっしゃるほど、「快適さ」は群を抜いています。

MarkeZine編集部:ベントレーは、その快適さを表現する言葉として、ブランドサイトでよく「エフォートレス」を使われていますよね。

遠藤:ええ、「エフォートレス」はベントレーの流儀です。何かのスイッチを押すなど、快適なドライブをするために、お客様側では何の努力(エフォート)も必要ありません。

 たとえば、トンネル内の空気は埃っぽいことが多いので、GPSで車の位置情報を把握し、トンネルに入る前に自動的に内気循環に変える機能があったり。車外センサーで外気状態をチェックしてフィルターでPM2.5などを除去し、綺麗に清浄した空気を常に車内に循環させる機能が搭載されていたりと、お客様はエフォートレスに快適なドライビングを楽しんでいただけます。

近年は、起業家やパワーカップルなど若年層の顧客も増加

MarkeZine編集部:ベントレーのターゲットはもちろん富裕層になると思いますが、その中でも具体的にはどのような方々に支持されているのでしょうか?

遠藤:実は年齢や年代はあまり関係なく、最近は若年の顧客も増えています。代々富を受け継いだ方、企業の重役に就いていらっしゃる方に加え、最近はスタートアップで成功した方やハイクラスな仕事をこなすパワーカップルなどにもご愛顧いただいています。

 富裕層というセグメントはありつつ、どちらかというと、ターゲットは価値観やライフスタイルを軸に見ています。具体的には、伝統と革新を追い求める方。特に、ドライビングが好きで、速さだけでなく、ラグジュアリーな世界観や優美さを愛でる高い美意識をお持ちの方がベントレーのターゲット層です。

MarkeZine編集部:今時点でベントレー車の購入を検討可能なターゲットに加え、未来の顧客としてベントレーに憧れを持つファン層の獲得・育成も必要だと想像します。こうしたファン層も、価値観・ライフスタイルを軸に捉えているのでしょうか?

遠藤:そうですね。ネクストターゲットも美意識が高く、ベントレーの世界観に共感いただけそうな方々、またラグジュアリーブランドに興味のある方々です。マーケティングでは、そういった世界観に共感していただけそうな方のトラフィックが多い「場所」や「媒体」に赴き、接点を創出しています。

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この記事の著者

那波 りよ(ナナミ リヨ)

フリーライター。塾講師・実務翻訳家・広告代理店勤務を経てフリーランスに。 取材・インタビュー記事を中心に関西で活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/06/02 09:00 https://markezine.jp/article/detail/49094

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