長寿命も環境・社会・財政的課題に直面
ベータ世代は、医療および技術の進歩により、平均寿命が延びる可能性がある。そんな中、長寿命にともなう機会と課題に直面することになると考えられている。
まず、51%の人びとが「ベータ世代の時代にはガンが治癒される」と信じている。しかし、慢性的な健康問題である肥満については、40%しか「根絶される」と考えていない。このことから、長寿命だけでなく健康寿命を延ばすために必要な行動変化への懐疑的な見方が伺える。
このように、健康については楽観的な見通しがある一方で、経済的不安定も懸念されている。55%の人びとが「ベータ世代は親世代よりも裕福になる」と信じる一方で、61%が「より多くの経済的不確実性に直面するだろう」と予測している。
ベータ世代は、長寿命とともに、環境的、社会的、財政的な課題にも直面する。
同世代を子どもに持つ親世代は、実践的なスキル、共感力、そして、金融リテラシーを身につけさせることに重点を置いている。これには、ハイテク教育と実践的な学習を融合させる取り組みが含まれている。
退職は流動的にあり、貯蓄不十分のおそれ
ベータ世代にとって、「退職」とは単に仕事から離れることではなく、柔軟で目的志向の新しい人生の段階を受け入れることを意味する。
66%の人びとが、「将来的には退職が流動的になり、人びとが退職と仕事を行き来するようになるだろう」と予測。この「ミニ退職」とも言えるスタイルは、寿命の延長と働き方の進化が要因となっている。
それだけでなく、ベータ世代を子どもに持つ、あるいは持つ可能性のある人びとの48%は、「自分たちの子どもは決して退職しないだろう」と考えている。
しかし、ベータ世代が退職を維持するためには、約188万ドル(約2億9,000万円)が必要だとプルデンシャル・ファイナンシャル社は見積もっているが、その金額を達成するのは難しいと予測されている。
こうしたことを踏まえ、同じくベータ世代を子どもに持つ、あるいは持つ可能性のある人びとの80%が、「理想的には、親は子どもが生まれた時点から退職資金の貯蓄を始めるべきだ」と同意した。
従来の「退職」のパラダイムが消えつつある中で、ベータ世代は、不十分な貯蓄や高齢化する退職年齢といった課題に直面する可能性が浮き彫りになった。
