2.専門家の定義を広げる
「権威性」と言うと、多くの人は「大学教授の意見」や「大手企業の事例」を真っ先に思い浮かべるものです。ですが、現場のマーケター、営業担当者、エンジニアなども専門家になり得ます。

前項とまとめると、“実際に役立つ記事”を作るためには、
- 「成功事例」より、「実際にやって失敗した話」のほうが読者に刺さる。
- アカデミックな理論より、「実務ではどうだったか?」の視点を重視する。
- 学者・研究者だけでなく、現場のプロも専門家として扱う。
といった意識が求められます。
“自分ならではの視点を持つ”ことが真の独自性
ここまで、
- 「データを引用するだけ」ではなく、「このデータをどう解釈するか?」まで書く。
- 「一般的には成功する手法」ではなく、「実際に試したらどうだったか?」を共有する。
- 「権威性のある情報を使う」だけでなく、「自分の視点を加える」ことを意識する。
が重要だと伝えてきました。
自分の視点、切り口、意見を持って伝えるときに、一般的な主張との差をどのように持たせられるのか、以下に様々な例を挙げてみます。
1.理論上は正しいが、現場では通用しない話
- 一般的な主張(検索上位記事によくある内容)
「パーソナライズドマーケティングは効果的。ユーザーに最適な情報を届けることでCVRが向上する」- 自分ならではの視点(リアルな課題)
「パーソナライズマーケティングはデータが揃っている前提だが、実際にはデータが十分に集まらずに精度の低い施策になりがち」
「ユーザーが求めるのは“パーソナライズ”ではなく“手間を減らすこと”のほうが多い」
2.成功事例に目が行くが、失敗事例にこそ学びがある
- 一般的な主張
「Instagramのリールを活用したらエンゲージメントが上がった」- 自分ならではの視点
「リールに注力したが、フォロワーの属性と合わず効果が出なかった」
「成功事例よりも『こういう場合は失敗しやすい』の視点で考える」
3.表面的な事象ではなく、裏側の要因を掘り下げる
- 一般的な主張
「Z世代はグルメサイトよりInstagramでお店を探す傾向がある」- 自分ならではの視点
「Z世代はInstagramで探しているのではなく、“グルメサイトを信頼していない”から使わなくなっている側面もある」
「Instagramで店を探しているのではなく、『失敗しないためにみんなの体験を重視している』という視点が抜けている」
4.業界の常識を疑う
- 一般的な主張
「ブログのリード文は簡潔にまとめるべきだ」- 自分ならではの視点
「リード文を短くすると離脱率が下がるのは事実だが、“あえて長くする”ことで滞在時間が伸びるケースもある」
「重要なのは長さではなく、読者を引き込めるかどうか」
5.本質的な課題を指摘する
- 一般的な主張
「コンテンツマーケティングは長期的に取り組むべきだ」- 自分ならではの視点
「長期戦と言われるが、実際は『短期的な効果が出ないと続けられない』という現実がある」
「長期施策と言いつつも、最初の3ヵ月で手応えを感じる設計が必要」
6.成功したのは手法ではなく、別の要因だった
- 一般的な主張
「〇〇業界でYouTubeが成功したので動画マーケティングは必須」- 自分ならではの視点
「成功したのはコンテンツの質ではなく、既存の強いブランドのおかげ」
「無名の企業が同じ手法をやっても、同じ結果にはならない」
「成功事例を真似る前に、その企業の背景やリソースも考えるべきだ」