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イベントレポート

「必要以上に頑張らず、好きに集中」の傾向強まる 生活者1万人アンケートに見る価値観と消費行動

街レジャー・人付き合い消費が回復 貯蓄より長期的投資の傾向も

 松下氏によると、2024年調査では旅行、人との付き合い・交際費へ支出傾向が回復。一方、自宅の環境を良くするという点で上がっていた家電製品は減少した。預貯金にまわすことについても傾向が下がったのは、「せっかく外に出られるようになったのだから、といった心の動きからではないか」と見解を述べた。

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 より細かく見ていくと、まず「ビデオ・DVD鑑賞」の割合が伸長を続けていた。サブスク系の配信サービス利用がシニアまで広がったことが要因と分析する。一方、ゲームはややダウン。外食・グルメ、映画、カラオケなどの「街レジャー」はコロナ禍時の減少から大きく回復した。特に外食・グルメ・食べ歩きは高く、次点で映画・演劇・美術鑑賞が挙がる。国内旅行やテーマパークも回復。一方で、海外旅行は円安を大きな要因として回復せず。また、アウトドア・キャンプはコロナ禍で密を避ける趣味として伸びていたが、他の選択肢の伸びとともに、微減する結果となった。

 注目しておきたい変化の一つは、投資に対する関心の高まりだろう。特に30代と40代で投資を行う人の割合が増加。これには教育やサービスの充実も要因となっているという。

 「入門編のサービスが増えたこと、そして将来に対して備えたいという気持ちからNISAといった制度に関連する長期的な投資商品に興味を持つ若い層が増えました」(松下氏)

ネット購入がヘビー化 コンビニはコロナ禍から回復せず

 購買のチャネルについては、インターネットショッピング頻度やインターネットのみで買い物を完結する傾向はコロナ禍が明けても伸長している。サブスク利用と同様、シニア層でもコロナ禍を経て利用率が伸びた。その傾向はオンライン予約の利用にも表れているという。若年層ではインターネットでの買い物がより日常化、ヘビー化していた。「店舗で実物を確認せずにインターネットだけで商品を買うことがある」人の割合は2012年調査から継続して伸び続けてきたが、2024年調査ではついに過半数を超えた。

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 リアルチャネルはどうか。まず、コンビニエンスストアの利用頻度は2021年のコロナ禍において減少していたが、2024年でも回復していない。一方、スーパーマーケットは2018年調査ではコンビニに抜かれ、2021年で落ち込むも2024年では回復した。松下氏はこの要因に、物価高の影響とライフスタイルの変化を挙げる。コロナ禍の状況から出勤の頻度が戻りきっていないことでその分コンビニへの立ち寄りも減ったままだと分析した。

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 また、買い回り系のチャネルとして総合ショッピングセンター・モールはコロナ禍での落ち込みから回復。また、コロナ禍で大きく落ち込んだ百貨店も以前の水準に戻っているわけではないが、やや回復したという。松下氏は「買い物系チャネルは全体的に戻っていないが、特に大きな買い物を控える傾向が続いているのでは」との見解だ。

消費スタイルの変化は?4象限で整理して変遷をたどる

 続いて消費への意識、消費のスタイルの変容についてシニアコンサルタントの林氏から説明された。消費におけるお気に入りへのこだわりの強さを見る「こだわり軸」、高くても良いとするか安さを重視するかを見る「価格軸」から消費スタイルを四つの象限に分け、その構成割合を時系列で示したのが次の図だ。

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 林氏の解説からこれまでの変遷を振り返ると、約四半世紀前となる2000年調査ではデフレの影響から「安さ納得消費」が最大だったが、安ければ良いという価値観が減っていき「プレミアム消費」が少しずつ増えていった。付加価値志向が徐々に強まっていく中、2015年調査では逆方向の「利便性消費」が一気に強まるという結果に。アベノミクスで収入増加につながった時期で、余裕ができればこだわりを持つ傾向が高まると思われたが、共働き世帯の子育てなど忙しさから時間を節約する利便性消費へとシフトしたと考えられるという。では、近年どのような変化があったのか。

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自分の「好き」へのこだわりに集中 推し活は“爆発的エネルギー”

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この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/02/25 08:00 https://markezine.jp/article/detail/48399

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