あえてターゲティングし過ぎないことで、つながり続ける余地をつくる
MZ:たくさんの情報が流れてくると、情報の最適化におけるハードルが上がりそうですね。
馬場:たしかにデジタルマーケティング、CRMの定石としてはターゲティング、ビールに興味がある人にビールの情報を出していく考え方になります。しかしお客様の声を聞いていくと「色々な情報が届くのがおとなサントリーの魅力なのであまりターゲティングしてほしくない」というお声が一定数あり、直近増えているようにも感じられます。
先ほどのフィルターバブル現象もあり、我々はアルゴリズムでターゲティングに慣れているお客様にとっては、逆にLINE上においては“ターゲティングし過ぎて選択肢を狭めない方が良いかもしれない”という仮説も持っています。サントリーの製品にはビールだけでなく、チューハイやハイボール、ワインなどもあり幅が広いので、しばらく飲んでなかった商品をLINEが届くことによって思い出して居酒屋で注文し、また飲み始めるといった“偶然の出会い・セレンディピティ”を生んでいくことで、よりつながり続けていただけるのではと考えています。これが正しいかはまだわかりませんが笑。
MZ:LINE公式アカウントをCRMで活用するにあたり、どういった点にこだわりましたか。
馬場:LINE運用は、3つの大きな考え方を持って取り組みました。1つ目は、明確な特徴を持つことです。LINEは基本的に家族や友人との日常のやり取りがメインです。また当社のアカウントをフォローしてるほとんどの人は他のビール会社のアカウントもフォローしています。その中に埋没しない、企業アカウントとして明確な特徴を持つことを目指しました。2つ目は、先ほど述べたあえてターゲティングしすぎないこと。偶然性を残しつつ、きちんと見ていただく工夫をすることです。3つ目は、LINEは基本的にプッシュメディアだからこそ能動的に見ていただける工夫をすること。それには体験や共感の価値を強化することが有効だと思っています。
CRM基盤への進化を目指したリニューアル
馬場:それらの視点を入れて2025年3月31日よりサントリーLINE公式アカウント「おとなサントリー」をリニューアルしました。お得で楽しい情報に加え、サントリーに対し「親しみを感じ、好きになるきっかけを得られる」アカウントを目指していきます。
具体的には、様々なお酒の魅力を広く発信するキャラクターとして、「アンクル」をメッセンジャーに起用しました。彼を当社ならではの資産としてブランディングし、サントリーから届いた情報としてお客様に認識していただきたいと思います。
 
馬場:また当社の様々な酒類商品に楽しく出会っていただくためにビンゴキャンペーンを展開します。お客様に楽しんでいただくビンゴカードは、今何を飲んでいらっしゃるのか、その人に合わせてパーソナライズされおり、当社のおすすめがレコメンドされるようにしています。第一弾「春のビンゴ祭り」を2025年4月末から始めたのですがお得意先からの反応も大変好調で、第2弾「夏のビンゴフェス」を7月から展開します。店頭での告知など、営業活動としっかり連動して取り組んでいきたいと思います。

 
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                
                                 
                                
                                 
              
            