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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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変容する金融業界のマーケティング

投資を身近に感じてもらう工夫とは?株が買えるメディア「日興フロッギー」のコンテンツ作り

まずは「知っている企業に100円投資」から

――メディアとして認知度を上げるために、どのようなタッチポイントを活用していますか。

 X(@froggysmbcnikko)とFacebookアカウントの投稿が中心です。フォロワー数はXが5万7,000、Facebookが6万4,000まで増えました。他のプラットフォームも活用していますが、費用対効果やコンテンツマーケティングの効果などを踏まえ、この2つをメインのコミュニケーション手段としています。

――コンテンツをきっかけにしてユーザーが投資を始めることを目指していると思いますが、その流れをどのように設定しているのですか。

 明確に定義しているわけではありませんが、初心者に対しては、できる限り易しい言葉で基本的な情報を伝え、「まずは自分が知っている企業に100円投資してみる」という最初の一歩を踏み出してもらうことを意識しています。

 すると、自分が投資した銘柄がどう動いていくのか、自然とニュースに目が行くようになります。視野が広がり、これまでにないアンテナが増えた感覚になってくる。それをまずは体験してほしいですね。

 慣れてきたら、知らなかった企業の記事も読んで、おもしろそうであれば踏み込んで調べてみるなど、少しずつステップを踏んで、投資に広がりと深さを持たせていく。それが初心者の理想的な動きかなと思います。

――実際には、投資のためにアカウントや口座を新しく作るのはハードルが高いと思います。そのハードルを越えてもらうために工夫していることはありますか。

 『日興フロッギーの歩き方』という連載で、申し込みの際に表示される画面や操作方法まで、細かく紹介する記事を掲載しています。「これを見れば解決できる」という場所を作り、少しでもハードルを下げようとしています。

記事『日興フロッギーの歩き方』や『日興フロッギーの使い方』でフォロー
記事『日興フロッギーの歩き方』や『日興フロッギーの使い方』で初心者をフォロー

心を動かす、温もりあるコンテンツを

――中上級者に対してはどのようなコンテンツを提供していますか。

 中上級者はすでに投資に興味があり、お気に入りの銘柄がある人も多いため、保有している銘柄について、より深く知ってもらいたいと考えています。たとえば、企業の社長インタビューでは、普段のニュースやアナリストのレポートでは知ることができない“思い”を伝えるようにしています。そういった熱量に触れることで、保有銘柄により愛着を持ってもらえればと思います。

 前述のように、個別株のフォロー情報を提供するメールも送っています。特定の銘柄を深掘りする記事や社長のインタビュー記事などをメールで紹介しています。

――好評な記事や連載もあるのでしょうか。

 一般の女性に投資について赤裸々に語ってもらう『仮面投資女子の実態調査』という連載があります。編集部員との掛け合いがコミカルでおもしろく、「私も出たい」という人もいるほどです。既に70回以上続いている人気コンテンツです。

『辛口チーフとこじらせ女子が暴く! 仮面投資女子の実態調査!』https://froggy.smbcnikko.co.jp/series-name/kamenより
辛口チーフとこじらせ女子が暴く! 仮面投資女子の実態調査!』より

――人柄や温もりが感じられるコンテンツも強みなのですね。そのような記事を制作する狙いは何ですか。

 人が行動するためには「心が動く」ことが必要です。特に、投資は一歩を踏み出すハードルが高いため、心が動かないと口座開設まで至るのは難しいのではないでしょうか。

 心を動かすためには、おもしろいコンテンツ、たとえばシェアしたくなったり、知っている人が出ていたり、漫画コンテンツに魅力があったりすることが必要です。そのようなポイントを押さえたコンテンツは当初から人気があります。今後も、日興フロッギーの“佇まい”を確立するコンテンツとして、大切にしていきたいと思っています。

 日興フロッギーでは、イラストレーターを1人選ぶ際にも、10人ほど候補を探して厳選するなど、コンテンツ作りにこだわってきました。「これいいよね」と思ってもらえるものを作れるクリエイターと一緒に、“優しい佇まい”を生み出していきたいと考えています。また、数字や企業データなどきっちりと見せる部分と、柔らかさを出す部分のバランスも大事にしています。

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多くの人の「投資を始めるきっかけ」になりたい

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この記事の著者

加納 由希絵(カノウ ユキエ)

フリーランスのライター、校正者。

地方紙の経済記者、ビジネス系ニュースサイトの記者・編集者を経て独立。主な領域はビジネス系。特に関心があるのは地域ビジネス、まちづくりなど。著書に『奇跡は段ボールの中に ~岐阜・柳ケ瀬で生まれたゆるキャラ「やなな」の物語~』(中部経済新聞社×ZENSHIN)がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/05/22 09:30 https://markezine.jp/article/detail/48718

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