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投資を身近に感じてもらう工夫とは?株が買えるメディア「日興フロッギー」のコンテンツ作り

 新NISAなどをきっかけに、若年層の投資意欲の拡大や、資産形成に対する意識の高まりなど、金融業界にとっては顧客との関係構築に関わる大きな変化が起きている。そんな中、SMBC日興証券はデジタルの顧客接点として、“記事から株が買える”メディア「日興フロッギー」を運営。投資を始めるきっかけづくりや銘柄情報の提供を担っている。編集長を務める横山敦史氏に、日興フロッギーのコンテンツ制作やユーザーを引き付ける工夫について話を聞いた。

次世代の投資家育成からスタート

――「日興フロッギー」は、オウンドメディアの記事から株が買えるサービスとして認知されています。まずはどのようなサービスなのか教えてください。

SMBC日興証券株式会社 デジタル・フィナンシャル・アドバイザリー部 日興フロッギー編集長 横山 敦史氏
SMBC日興証券株式会社 デジタル・フィナンシャル・アドバイザリー部 日興フロッギー編集長 横山 敦史氏

 日興フロッギーはキャッチフレーズとして掲げている通り、記事から株を買えることが最も大きな特長です。投資初心者向けに情報を提供するメディアとして始まり、現在では、上場企業の社長インタビューや銘柄解説記事、投資による資産づくりで成功した億り人の紹介など、多様なコンテンツを掲載しており、最低100円から株を購入可能です。

 当初は次世代の投資家を育成するためのプロジェクトとして始まりました。資産を受け継ぐ方はもちろん、将来へ心配を感じる一方でなかなか投資活動に踏み出せていない方もいます。私たちができることは何か、模索する中で日興フロッギーが誕生しました。

日興フロッギーの説明図です

3つの機能を持つメディア

――日興フロッギーにはどのような機能がありますか。

 主に3つの機能があります。まずは、投資教育を担うメディアであることです。投資をわかりやすく学べるコンテンツを掲載しています。スマートフォンで情報収集することが当たり前になったことに加え、現役世代は忙しくて時間もないことから、スキマ時間で手軽に見られるデジタルコンテンツを拡充することを目指しています。

 次に、取引サービスの提供です。当社独自サービス「キンカブ(金額・株数指定取引)」を使って、100円以上、100円単位で株式取引ができます。当初は最低取引額が500円でしたが、100円に引き下げることで初心者も利用しやすくしました。

 3つ目が、コミュニティ機能です。主にSNSを活用してコミュニティを形成しています。たとえば、億り人の取材記事を公開するときに、Xでご本人をメンションしてポストし、ご本人にも記事を紹介してもらっています。すると、周りのファンの方も記事を読んでくれますし、内容を読んで「まねしてみたい」と実践してくれる人もいます。ゆるいコミュニティが自然と作られていて、日興フロッギーの認知度も上がりつつあります。

億り人への取材(一例)
億り人への取材(一例)※株カエルのアイコンが付いている記事から株が買える

情報との「新しい出会い」を育む

――現在、どのような人に向けてコンテンツを提供しているのですか。

 当初の狙い通り、ミレニアル世代のユーザーが過半を占めるようになりました。一方で、いわゆるベテラン投資家にも個別株のフォロー情報を提供できるようにしています。元々当社では充実したレポートを提供していますが、デジタルへのハードルが低く、ネットの記事の方が読みやすい人も多いと思います。そういった人に向けてメルマガで記事を紹介するなど、コンテンツの活用の幅も広げています。

――初心者と中上級者では求める情報も変わってくると思います。提供する情報をターゲットごとに変えているのですか。

 毎月掲載している優待の記事には、初心者はもちろん、何年も株式投資をやっている人にとっても、初めて知る銘柄や「おもしろそう」と思える情報を掲載するようにしています。情報との“新しい出会い”がベテラン投資家にも生まれるのです。そのため、明確に情報をわけるというより、どちらにも楽しんでもらえるコンテンツを用意するようにしています。

 一方、信用取引に関するコラムなど、初心者向けではないコンテンツもあります。その場合は「投資上級者向け」とサムネイルで明確に謳うなど、ターゲットをわかりやすく明示して配信しています。

――ミレニアル世代が多いというお話でしたが、これからはZ世代も増えていきます。若年層のニーズは変化していますか。

 新NISAによって裾野は広がりましたが、ニーズ自体は大きく変わらないと思います。一方、以前は「こういうものがあったらいいのに」と思っていたサービスがどんどん実現しています。たとえば、「スマホで簡単に投資」「少額投資」など、各証券会社でサービスのラインアップが幅広く用意されるようになってきたと思います。その意味では、投資ニーズが顕在化してから実際にアクションしやすくなってきているのではないでしょうか。

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この記事の著者

加納 由希絵(カノウ ユキエ)

フリーランスのライター、校正者。

地方紙の経済記者、ビジネス系ニュースサイトの記者・編集者を経て独立。主な領域はビジネス系。特に関心があるのは地域ビジネス、まちづくりなど。著書に『奇跡は段ボールの中に ~岐阜・柳ケ瀬で生まれたゆるキャラ「やなな」の物語~』(中部経済新聞社×ZENSHIN)がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/05/22 09:30 https://markezine.jp/article/detail/48718

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