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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

予算ゼロ&1人マーケでもできる!ゼロから始めるBtoBマーケ

商談化率/受注率の低下、リード数の頭打ち…BtoBのよくある課題に1人マーケがどう挑んだか

リード数の頭打ちに効く、6つの解決策

(1)既存チャネルの伸び代を考える

  • 広告:「CPA」と「伸び代」と「受注までの遷移率」を見直し、予算を増やせないか検討
  • セミナー:1件あたりの集客数、ハウスリストの数を確認
  • オウンドメディア:検索ボリュームからのMAXのPV数を算出。あわせて新規キーワードも検討

(2)新たなチャネル・セグメントの開拓を検討

  • 新規チャネルの開拓→YouTubeの活用、アライアンス開拓、顧問の活用など
  • 新たなセグメントの開拓→別業界を開拓する、大手企業を開拓するなど

(3)新たなプロダクト・プランの設計(低単価プラン/高単価プラン)

 ターゲットは同じでもニーズが異なる場合、新たなサービスを追加することで頭打ちを防げます

 たとえば、SAKIYOMIの場合、月額70万~100万円でInstagramの運用代行を行っています。これはマーケティング施策の中では高額だったため、商談の中で「予算の都合上、10万~30万円でスモールスタートしたい」というニーズが出てきました。当初はそういった提案に対してお断りしていたため、ニーズを取りこぼしていました。

 そこで新しく作ったサービスが、フリーランスとしてInstagramの運用代行を仕事にしたい個人と、低予算でスモールスタートしたい企業をつなぐ、マッチング形式の運用代行サービスでした。このように既にアプローチできているターゲットに対しても、より支援の幅や支援プランを広げることで、同じリード数から作れる売上を最大化できます。

 一方で逆の考え方もあります。たとえば、同じ売上でも「50万円/月×100社=5,000万円/月」ではなく、「1,000万円/月×5社=5,000万/月」を目指すのです。月額で支援する場合、新規受注件数と解約率を比較した時に「成長の踊り場」が必ずどこかでできます。

既存クライアント数百社×解約率10%=毎月の解約数十件

 ↑↓

毎月の新規受注件数

 これが成長の踊り場です。新規受注件数を増やすことによって、1社解約発生に対するリスクは下がりますが、成長の踊り場が来る可能性が高まっていることを頭に入れて事業判断/経営判断をしなくてはいけません。まさにこれはSAKIYOMIの運用代行事業で起こった、リアルな裏側です。

 サービスの質は上がっており、マーケティングやセールスも強くなっているのにもかかわらず、事業成長は頭打ちになり、鈍化していく。稲盛和夫さんが「値決めは経営である」と言っているように、細かい粒度での改善をしても事業成長が鈍化している時は、一度値決めに立ち返ってサービスを見直すことが必要です。

(4)フック商材の導入

 初期に低価格または無料で提供することでリード獲得の役割を担う、フック商材を導入してみましょう。フック商材を設計することで広告のCPA=営業効率を改善します。また、アップセルで高単価な商材を作ることで、平均単価が上がり、許容できる広告費も増やせます。これにより、リード数の頭打ちを突破できます。

〈フック商材の導入〉

  • 目的:広告経由のリード数の頭打ちを打開すること
  • KPI:広告のCPA改善

 実際にSAKIYOMIで実践し、月額1万円の会員が毎月新規で300社入る状態を作ることに成功しました。

(5)アライアンスの開拓

 アライアンスを強化する場合は、前提として代理店(パートナー企業)が自社の商品を売る理由を設計する必要があります。これがない中でいくらアライアンス開拓をしたとしても下記のような現象が起きます。

  • アライアンス先が見つからない
  • 候補の企業と打ち合わせをしても、アライアンス締結まで至らない
  • アライアンス締結に至っても、積極的に動いてもらえない(他の商材と比較して受注の優先度が低くなる)

 では、代理店(パートナー企業)が自社の商品を売る理由とは何でしょうか。これは基本的に次の2つしかありません。

1.フック商材として優秀である

 代理店は、クライアント開拓の際に、フック商材を提案し、その代理店が扱う他の高利益の商材を売るきっかけにします。

 フック商材の必須条件は下記になります。

  • 受注率が高い(30~50%が目安)
  • 低単価である(数千円~数万円ぐらい)
  • メイン商材と顧客ターゲットが同じである(メイン商材を売るためのきっかけとして有効)

2.高単価・高利益である

 当たり前の話ですが、代理店の売上に貢献する商材であることが必須です。最低でも1件の受注で、100万円ぐらいの売上が目安で、インパクトは必須でしょう(代理店の規模によって金額は変わります)。

(6)第1想起の獲得を目指す

 リード数を増やす選択肢として、第1想起獲得を目指す施策を検討します。これは難易度が高く短期的には実現しにくいですが、長期的な戦略としては欠かせないものです。

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相談事例:後発参入の勝ち方がわからない

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この記事の著者

田中 龍之介(タナカ リュウノスケ)

著書:『マーケティングの全施策60

2019年にSAKIYOMIに入社し、マーケティング責任者兼3つの新規事業の責任者を経て、執行役員に就任。SAKIYOMIでは、BtoBマーケティング機能を0から立ち上げ、平均5,000件/月のリードを獲得。自社メディア月間50万PV、YouTubeフォロワー3万人、Ins...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/07/17 08:00 https://markezine.jp/article/detail/49458

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