2025年9月2日、デロイト トーマツ コンサルティングは、企業や自治体が顧客やユーザー、マーケット等の反応をより効果的に予測するための新サービス「AI haconiwa」のベータ版提供を開始したと発表した。
同サービスでは、さまざまな個性や深層心理を再現したAIエージェント(住人AI)の集団を構築し、人間社会のデジタルツインを作り出すことを目指し、コミュニティの反応を事前に予測する。

AI haconiwaにより、「時間や場所の制約なく、生身の人間には困難な質問や対話」も繰り返し実施でき、表層にとどまらない深層欲求や動機に基づく反応データを収集可能となる。これにより、従来経験則や統計手法に依存していた意思決定を、シミュレーションの根拠がある意思決定プロセスへと変革できる点が特徴だ。
本サービスはデロイト トーマツ独自の「AIインタビューエージェント」「マルチエージェントアプリ」「多機能RAGアプリ」などの独自開発AIアセットと、多様な学術知見から設計。導入フローとしては、クライアントのニーズに合わせて複数のAIエージェントが連携し、ディープインタビューに耐えうる人の個性を再現した住人AIを高速自動生成する構成となっている。
提供体制はコンサルタント、エンジニア、研究者のハイブリッドチーム。マーケティング施策の反応予測や商品・サービス開発の段階ごとのN1インタビュー、優秀な営業のデジタルツイン活用、営業トレーニング、社内制度変革のシミュレーション、世論調査など幅広いユースケースを想定している。
12月の本格提供時までに、簡易的な住人AI同士の会話やマネジメントAI(インタビュー設計自動化)、インタビューAI機能を実装予定で、将来的には住人AI同士による思考変化シミュレーションや外部情報との連携強化等も目指すとしている。
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