行動変容を引き起こす「ミセメディア」の4つの効能
単なる映像放映や試食にとどまらず、来店客の体験を通じて行動変容を引き起こすことができる「ミセメディア」。その効能は、「偶発的」「認識変革」「話題喚起」「異例選択」の4つに分類できる。

1つ目は「偶発的」。インターネットの普及と進化によって、自分に興味のある情報へアクセスしやすくなった一方、新しいものとの偶然の出会いは起こりにくくなった。「フィルターバブル現象」という言葉を聞いたことがある人も多いだろう。そんななか「ミセメディア」は「飲食」という目的で来店した様々な消費者に対し、商品との偶発的な出会いを作り、PRしていくことができる。想定ターゲットに加え、デジタル広告のターゲティングでは実現できないような想定外のターゲットへも、意図せぬ出会いを創出できることは、飲食店ならではの強みと言えるだろう。
2つ目は「認識変革」。商品の「ウリ」を本当に正しく伝えることができている企業はどのくらいあるだろうか。他社に負けないこだわりも、社員だけが知っている魅力も、消費者にきちんと伝わらなければ意味がない。「ミセメディア」ではこのような課題に対し、飲食店での長い滞在時間と五感を使った体験によって正しい理解を促し、認識を変えていくことができる。
3つ目は「話題喚起」。かつてのように、家族団らんの場でひとつのテレビを見て、同じCMに対して会話していた時代は終わった。「何かひとつ」に対しての会話が圧倒的に減少している時代において、「ミセメディア」は飲食店ならではの価値を発揮する。実際、「ミセメディア」での映像放映中には「あれ、食べたことある?」「ここ、久々に行きたいな」と言った仲間同士での自然な会話が生まれていた。他人との共通の話題がなくなってきている時代において、「ミセメディア」は人々が「何かひとつ」に対する会話を取り戻すチャンスにもなり得るだろう。
4つ目は「異例選択」。消費者が自分の価値観で大量に「選択と消費」をしなければならない現代において、飲食店は「ちょっと新しい選択」を促す数少ない場所となっている。誰もが店員のおすすめを聞いてメニューを選択した経験や、同行者の好みに合わせた注文をした経験があるだろう。その結果、「意外とおいしい」と感じたこともあるかもしれない。プロモーション動画を広告として見せるだけでなく、店員や同行者に背中を押されることによって、意識や行動の変化を強く促すことができるのだ。
認知促進からBtoBまで。「ミセメディア」活用の成功事例
セミナーの最後には、エプソン販売の小西氏より、「ミセメディア」の活用事例が紹介された。

まず、石川県のソウルフード「とり野菜みそ」を展開する株式会社まつやの事例だ。県外への認知拡大を目的に「ミセメディア」を導入した。結果、来店客の73%が「はじめて知った」と回答し、そのうち42%が実際にタイアップメニューを注文。偶発的な出会いで新しい選択を促すことができた。またアンケートの結果、従来のメインターゲットである30~40代の主婦以外に、「20代男性」からも高い関心を集めていることが判明。新たなマーケティングのヒントも提供したかたちとなった。

続いて紹介した事例は、フライドポテトメーカーの日本マッケインフーズ株式会社。こちらも来店客の84%がブランドを「はじめて知った」と答え、認知拡大のきっかけとなっている。さらに、消費者参加型キャンペーンと連動させることで、試食体験から会話、投票参加へと行動を促すことに成功した。
「ミセメディア」の実施が副次的効果を生んだ例も多い。飲料メーカーのサンプリングでは来店客の話題喚起につながったのはもちろん、店舗側からも「すぐにでも導入したい」といった好反応を得た。BtoCのみならず、BtoB(店舗)への強い訴求力がうかがえる。また、自治体の魅力発信プロモーションでは、アンケート回答ページ内に移住サイトへのリンクをつけることで、多くのクリックを得る結果となった。食品・飲料メーカーのみならず、地方自治体との親和性も高い。
今後さらに多くの広告主が参加できるよう、出稿枠を増やしているという「ミセメディア」。小西氏は「日本の誇るべき企業や地域の価値を届けていく存在として、世の中に『ミセメディア』を浸透させていきたい。ぜひ一度ご活用いただき、『ミセメディア』ならではの体験の価値を強く認識していただけたら」と訴え、セミナーを締めくくった。