SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

世界のトレンドを読む

F1女子急増、世界8億人が熱狂。人気再燃の必然とワールドカップ前夜の示唆

F1のカルチャー化とブランドの関与

 F1人気の再燃を単なるスポーツ復興と捉えるのは不十分である。現在のF1は、むしろカルチャーイベントとしての性格を強めている。観戦はレースを楽しむだけではなく、ファッション、音楽、セレブリティとの交差点として成立しているのである。

セレブとラグジュアリーの舞台

 ラスベガスやマイアミのグランプリでは、ピットやVIPラウンジにハリウッドスターや音楽界の大物が集う。レッドカーペットのようにカメラがセレブを追い、SNSを通じて世界中に拡散される光景は、もはやスポーツというよりフェスティバルである。リアーナやゼンデイヤといったポップカルチャーのアイコンがF1の現場を彩ることは、若年層や女性にとって「観戦=憧れの体験」と映る。

ブランドとのコラボレーション

画像を説明するテキストなくても可
画像出典

 F1はラグジュアリーブランドのショーケースでもある。ルイ・ヴィトンはトロフィーを収める特製トランクを提供し、TAG Heuerは公式タイムキーパーとしてプレミアムな存在感を放つ。さらにAB InBevはスポンサー契約を結び、バドワイザーやミケロブ・ウルトラを通じてファンとの接点を拡大した。これらの事例は、ブランドがF1を単なる広告媒体ではなく「文化的な共鳴の場」と見なしていることを示している。

スポーツからカルチャーフェスへ

 観戦そのものも変容している。サーキット外のファンフェスティバルでは音楽ライブやアート展示が組み合わされ、観客は「レースのあるフェス」として週末を過ごす。ワールドカップのファンフェスと同様、F1もスポーツとカルチャーを横断する巨大な体験の場になりつつある。

日本企業への示唆

 この潮流は日本のブランドにとっても学ぶべき点が多い。かつてのように技術力やスポンサー看板での露出だけでなく、消費者のライフスタイルや価値観に溶け込む体験を設計する必要がある。30代や女性が熱狂する今のF1は、マーケティングの新しい可能性を照らし出す鏡でもある。

次のページ
ワールドカップ前夜に考えるスポーツ熱

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
世界のトレンドを読む連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

岡 徳之(オカ ノリユキ)

編集者・ライター。東京、シンガポール、オランダの3拠点で編集プロダクション「Livit」を運営。各国のライター、カメラマンと連携し、海外のビジネス・テクノロジー・マーケティング情報を日本の読者に届ける。企業のオウンドメディアの企画・運営にも携わる。

●ウェブサイト「Livit」

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2025/10/20 09:00 https://markezine.jp/article/detail/49896

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング