検索創出型マーケティングを実現する7ステップ
そんな検索創出型マーケティングを実際に展開するにはどうすれば良いのか。瀧沢氏は「当社やPR会社に依頼する前に、自社だけでできる取り組みはたくさんあります」と話し、次の7ステップを挙げて取り組むべき重要ポイントを説明する。

ステップのなかで、まず重点を置いて取り組みたいのが「キーワードづくり」だ。これは検索される前提を作る最重要工程であり、「検索創出しやすい言葉」を決めていくことがポイントとなる。大切なのは「シンプルでわかりやすいこと」。必ずしも短い言葉である必要はなく、聞いた瞬間に意味がわかるという点が大切だ。また、無理して新しい言葉を作ることも必須ではなく、老若男女誰もが違和感なく使えるわかりやすさを最優先で考えていく。
逆に避けたほうがいいのは、英単語や漢字の当て字を使うこと。打ちやすく変換しやすい言葉であることが、特にスマホ検索の創出を左右する。アルファベットだった支払いサービスが、カタカナに変更したとたん検索数が急増したという例もあるほどだ。「自社のSNS担当者に、アルファベットではなくカタカナ表記で投稿するように相談するのもいいでしょう」と瀧沢氏はアドバイスする。
次に注意したいのは、「どのように想起させたいか」を決めること。決めたキーワードを、どのような文脈で想起させたいのかをあらかじめ決めておく。想起の仕方も、「ファストファッションといえば◯◯」というようにカテゴリーで第一想起を取るものや、「高級ブランドバッグを買うなら◯◯」と利用意向を想起させるものまで様々だが、キーワードマーケティングでは「課題解決想起」「概念理解想起」「利用意向想起」「カテゴリー第一想起」を基本として、どこを狙っていくかを考えることを提案している。この想起の仕方によって、全体のコミュニケーションの方向性が定まってくる。
そして顧客との接点(タッチポイント)についてだが、「まず接点を徹底的に洗い出すことが必要です」と瀧沢氏。想起や認知を短期間で高めるには、様々なメディアから繰り返し情報に触れてもらう必要があるので、「自社ですぐに取り組める接点」と「スピード感をもって有料掲載する接点」とを抜け漏れなく整理していく。
認知を定着させる接触設計の目安は、1〜3週間のあいだに異なる4種類以上のメディアに触れてもらうこと。自社でコントロールできる施策としては、SNSやメルマガ、ブログに加え、営業メールの署名や月次報告書のスライドなど「いつも使っているけれど面で効く」接点も効果が高いので、こうした面でキーワードを訴求していく。こうして工夫次第で費用をかけずに認知を積み上げていく。
また第三者メディアを使う場合は、「枠を買う」発想ではなく「編集コンテンツを買う」発想で選ぶことが大切だ。選定のポイントは、強い視聴者基盤を持ち、質の高い編集記事を提供する媒体を選ぶこと。これにより、客観的で信頼されやすい情報として届きやすくなるという。
最後に、検索して訪問してくれたユーザーの“受け皿”となるコンテンツをしっかり用意する。ホワイトペーパーやオウンドメディアの記事、SNSで使う画像やXの長文投稿など、ユーザーが様々な経路で情報に触れやすいように設計し、検索したときに必ず自社の深掘りコンテンツへ導ける状態を作っておくことが必要となる。併せて、運用型広告をセットして訪問者とのコミュニケーションを欠かさない仕組みを備えておくことで、露出から検索、深堀り、コンバージョンへとつながる導線が実現する。
とはいえ、コンテンツ制作はもちろん、メディアの見きわめ方だけでも難しく、日頃からの情報収集が必要となる。瀧沢氏は「選定のアイデアが湧かないときは、各媒体の動向に通じたPR会社の知見を借りるのも賢い選択です」と述べ、講演を終えた。

 
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                
                                 
                                
                                 
              
             
                    