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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Retail

翔泳社の本(AD)

営業利益率は驚異の57% 一休に成長をもたらした顧客別利益管理と「良い売上の最大化」

 2025年7月の発表によると、宿泊予約やレストラン経営などの事業を手掛ける一休の売上高は570億4,700万円、営業利益は325億4,400万円。営業利益率は57%と、3期連続で驚異的な成長を達成している。顧客起点マーケティングで知られ、10月14日(火)に新著『良い売上、悪い売上』(翔泳社)を上梓する西口一希氏は、一休が顧客一人ひとりの売上と利益を把握する顧客別利益管理によって「良い売上の最大化」ができていることが、この成長の源だと分析。今回は同書から、西口氏が一休の代表取締役社長・榊淳氏と宿泊事業本部長・花房みのり氏にどうやって顧客別利益管理を実現しているのかを尋ねた対談を紹介する。

 本記事は『良い売上、悪い売上 「利益」を最大化し持続させるマーケティングの根幹』から抜粋したものです。

「良い売上」と「悪い売上」とは?(本書より)

 本書で提案する「良い売上」とは、端的に言うと「継続的に利益に貢献する売上」です。「悪い売上」は逆に「一過性で利益に貢献しない売上」です。言い換えると、1回しか購入や利用をせずに離反する顧客からいただく売上です。

 同じ1万円の売上でも、利益は大きく変わります。継続的に良い売上を積み上げている事業は、短期的に利益の上下があっても中長期的に利益率と利益額全体が成長しますが、一方で悪い売上を積み上げてしまった事業は、短期的には好調に見えてもいつまでも初期投資を回収できず、売上が伸びても利益率が下がり続けて、投資の継続が難しくなり程なく衰退します。

 「良い売上」とは、継続的な利益につながる売上で、高い累計利益を生み出します。
 「悪い売上」は、一過性の売上で、ほとんどの場合、損失を生み出します。

1件の予約ごとに限界利益を算出

西口:一休.comは、宿泊予約事業を皮切りに、レストランやスパなど一貫して高級な選択肢を顧客に提供されています。「非日常を体験したい」という顧客に対して、絞り込んだエリアで圧倒的に勝たれている。顧客のニーズをしっかり理解して、そのインサイトに寄り添ったサービスを展開されているからこその業績だと思っています。

 実際、例えば宿泊予約事業だと「年間100万円以上を宿泊に使う人」をターゲットにされていると、講演やインタビューで明言されていますね。

榊:はい。当社はおっしゃるように、幅広く様々な方ではなく、ニッチな顧客層をメインターゲットに事業を展開しています。そうした方のインサイトを理解するために、ユーザーインタビューを恒常的に実施し、満足いただける選択肢やサービスを提案できるように心がけています。

西口:そうしたニッチなビジネスにおいて、「新規を10人獲得して何人がリピーターになっていただけるか」は特に重要だと思います。やみくもに新規獲得をして、全員が1回しか利用しなかったら、大きな損失になってしまいますよね。

榊:その通りですね。

西口:誰に何を提案するかについて、私は「複数の『WHO&WHAT』の組み合わせを理解して追いかけていく」ことを提唱しているのですが、一休ではもはやその組み合わせもなく、一人ひとりの"WHO"への最適な提案を無数に行っている形なのでしょうか?

榊:いえ、ある程度の粒度の顧客セグメンテーションも、明示的に捉えていますよ。

西口:それは何パターンくらい?

榊:パターンというより、いくつかの軸で切って見ています。いちばん大きな軸は「ヘビーユーザーか、ライトユーザーか」。また、「レジャー利用か、出張利用か」「レジャーならカップルか、ファミリーか、子連れか」などを見ています。そのようなセグメントを捉える一方で、個々人に対してAIによるパーソナライズを走らせています。

西口:なるほど。顧客に喜ばれる提案を前提に、本書でいう「良い売上をもたらす顧客」と一過性に終わる顧客を丁寧に見て、予約サービスというプロダクトを構築されているのが一休だという理解をしています。

 その背景にあるのが、前に榊さんと花房さんからうかがった、顧客別利益管理です。宿泊事業の責任者をされている花房さんにお聞きしますが、現状はどこまで算出されているのですか?

花房:1件の予約ごとに、売上から費用を引いた限界利益まで算出しています。固定費までは振り分けていませんので、限界利益という言い方をしましたが、当社はすべての顧客にIDを付与しているので「Aさんの○月○日の□□ホテルの予約は限界利益△△円」がクリアになっている状況です。

西口:特定の顧客の予約1件ごとに、売上と費用がわかっているから、限界利益もわかるということですよね? 単月かつ合計の売上や費用ではなく、顧客別の売上と費用を捉えられている、という。

花房:そうですね。

「顧客別・予約ごと利益管理」までの三段階

西口:BtoBでは、顧客別(クライアント別)利益管理を実践している企業はあるかと思いますが、BtoCでは私が知る限り皆無です。そもそもなぜ、このような見方をするようになったのですか?

榊:最初から「顧客別」の管理を実装したわけではありません。いくつか段階があり、最初は「顧客セグメント別の売上とコスト」を見ていました。次に、「顧客IDベースでの費用をひもづけ」を実装し、実質的に顧客軸で利益を見えるようにしました。その後に、スピーディにPDCAを回すために「顧客別かつ予約単位」で見るようになったというプロセスでしょうか。

西口:それぞれ、いつごろのお話ですか?

榊:顧客セグメント別の売上とコストを見えるようにしたのは、私が2013年に一休に参画する前のコンサル時代からです(※榊氏は一休に入社する前、外部コンサルタントとして同社事業に関わっていた)。次の顧客ID別管理の実装が、花房さんが入社した後の2019年ごろで、現在の予約単位での管理は2020年にコロナ禍の中で実施された「GoToトラベルキャンペーン」のタイミングですね

西口:順を追ってうかがいますが、そうすると、10年以上前から売上と費用は見ておられたのですね。

榊:そうですね。当時は、計算が複雑なので営業利益管理まではしていませんでしたが、疑似的な利益を見る発想はありました。この顧客セグメントは非常に有益だとか、そこまでではないといったことを、およその利益貢献で判断できるようにはしていました。

◆MarkeZineからのお知らせ

11月11日に開催する「MarkeZine Day 2025 Retail」で西口一希氏が特別講演。40分で本書籍のエッセンスをお話しいただきます。アーカイブ配信はありませんので、ご興味のある方はぜひご来場ください。

特別講演:『その売上は、本当に自社の利益になっていますか?西口一希氏に聞く、すべてのマーケターが知るべき「良い売上」と「悪い売上」の考え方』

日々のビジネスを継続する中で生まれた仕組み

西口:次のタイミングが、顧客ID別、要は一人ひとりの利益を見られるようにしたと。

榊:はい。それが2019年のことですが、私たちはずっと、西口さんの図で言う「横軸で見る」(顧客別利益管理)考え方を強く持っていたので、顧客別の利益を突然2019年に可視化したという感覚はないんです。どのみち利益貢献で判断しているから、仕組み化したほうがいいよねという、継続的なビジネス会話の中で構築したモデルでした。

 実際に手を動かしたのは一人のエンジニアで、花房さんがアドバイザー的な立ち位置、私は監修という形でした。私たちとしてはさほど大ごとに捉えておらず、実装も2週間ほどだったと思います。

西口:その際には、前職でSEとして会計システムを担当していたという花房さんの役割が大きかったのでしょうね

花房:会計システムの開発のさわりに関わっていたくらいでしたが、その経験を、ビジネスサイドから活かせたと思います。

西口:費用の按分などは、どうされたのですか? 顧客IDごとにかかった費用を割り出すのを、モデル化するわけですよね。

花房:そうですね。一休.comのサービスでいうと、具体的な施策数でいうと数十ありますが、費用は大きく「クーポン系コスト」か「ポイント系コスト」しかないんです。なので、一つずつ「この顧客には按分する/しない」を指定していった形です。

榊:当社の特徴として、ほとんどが、トランザクションにひもづくコストとして計上できるんです。例えば1泊1万円の宿が売れて、宿に入るのが9千円、クレジットカード会社に入るのが1千円、そのとき顧客が500円分のポイントを使い、500円分のクーポンを使った……といった形です。このあたりはすべて顧客ID単位でひもづけられます。ひもづかないのは広告費ですね。

西口:広告費はどうされているのですか?

榊:コンバージョンしていない人も含めて按分しています。

費用のひもづけまで判断するAIモデル

西口:ただ、言うは易しで、実践されている企業がないのが現状ですね。

榊:当社が少し特殊だというのはあると思います。

西口:というと?

榊:広告入札(ビッティング)のプライシングを、AIを使って行っていることです。なので、この広告費がどういう理屈でどの成果につながったのかまでわかるので、それもプログラムに書き込んでいるのです。

西口:具体例を教えてもらえますか?

榊:例えばリスティング広告の場合、クリック数に応じてコストがかかりますよね。そうすると、「10回クリックされたのに、予約が1件も入っていない」みたいなケースが結構あるんです。

 従来のやり方だと「広告費だけかかって成果がない」となってしまいますが、AIのビッディングプログラムは、その時に「この広告にかかったリアルなコストは、どのトランザクション(予約)にひもづくのが最も自然か」ということを、推測して判断しているんです。

 また当社は、そういった広告に関するデータがすごく整備されているからこそ、AIで最適なプライシングができるという側面もあります。

西口:最初にそのAIのビッディングプログラムの中で、広告費と成果のひもづけをすべて設計されているから、後から手作業で確認する手間がない、ということですね。

榊:その通りです。ビッティングの精度を上げようと思ったら、コストの正しい評価ができなければいけません。見方を変えると、評価のひもづけの仕組みが最初から設計されないと、ビッティングのモデルは完成しません。ただし当社でなくても、つまり今後AIを入れて、ビッティングの仕組みも社内で全部つなげれば、費用を適切にひもづけたAIもデルが完成する可能性は広がっていると思います。

西口:そうですね。要は、横軸で見る顧客起点での、経営者としてのコミットメントの問題ですね。

プログラムが暴走して「悪い売上」を集めてしまった

西口:そして3つ目の段階が、コロナ禍での「GoToトラベルキャンペーン」をきっかけに、予約単位で粗利が見えるようにしたことだと。これは、どういった発想によるのでしょうか?

榊:もちろん「顧客別にもっと精緻に利益を管理したい」こともあるのですが、発端となったのは「スピーディにPDCAを回したい」という考えです。というのは、予約単位で粗利まで出れば、都度の施策に関して大概の意思決定はできますから。それを追求した先に実現したのが、顧客別・予約ごとの利益管理でした。

 仮にある施策を実施した際、例えばABテストなどでも、売上なら大抵は施策を実施したグループのほうが上がりますよね。ですが利益で見ると、実は大した差がなかったり、むしろ費用を引くとマイナスになったりすることもあります。それを瞬時に捉え、継続か中止かを即断できる、フレキシブルな施策運営のために予約ごとの利益管理を導入しました。

 その実践の過程で、顧客セグメント別に見たり、それをもっと細分化したりというプロセスがありました。最終的にそれが一人ひとりの顧客軸、かつ予約単位で見るという見方になったんです。

 最初から「予約単位」の発想があったというより、スピーディにPDCAサイクルを回すことベースにあって、副次的に予約単位の把握が可能になったという感じです。

西口:その当時、PDCAが遅いという課題意識をお持ちだったのですか?

榊:はい、それもあるのですが、プログラムの〝暴走〞が起きたことがショックだったというのがあったと思います。

西口:プログラムの暴走、ですか。

榊:例えば当社サービスの状況だと、レコメンデーションや広告運用のモデルなどいろいろな仕組みがAIを使ったプログラムベースで動いているんですね。そのとき、100%プログラムに依存していると、思いのほかおかしなモデルができてしまったりして、売上が暴走したりするのです。要はAIが「売上向上」を最重要課題に、私たちが想定していない変な方向に進んでしまうというか。

西口:勝手に最適化がかかってしまって、利益につながらない売上まで上げてしまうといったことですか?

榊:そうです。その例の象徴が、コロナ禍の2020年7月に開始した「GoToトラベル」のときです。高級な宿に安く泊まれるということで、普段は一休を使わない方々を含め、高級な宿を閲覧する人がものすごく増えたのです。するとAIが「普段は来ないお客様がたくさん来た! ぜひ予約してほしいからクーポンを発行しよう」と反応してしまいました。

西口:トラフィックをトリガーに、クーポンを大量発行してしまったんですね。

榊:そうです。でも、その方々の多くはキャンペーンが終わると去ってしまうので、私たちとしては多額のクーポンを発行してほしいわけではありません。「これはいかん」となって、ちゃんと状況が見えるよう、PDCAを可視化して回せるようにしたのです。

 会社としてAIをどんどん使っていくのは明らかなので、その点でもAIと仲良くしていかなければ。言い換えれば、常に私たちの意図どおりにAIが動くような仕組みに整えていく必要があると考えました。

AIの"Slack報告"でブラックボックスを可視化

西口:「私たちの意図通りに動くように」する修正は、どうかけているのですか?

榊:毎日、AIからSlackにレポートさせるようにしたんです。

西口:AIがSlackに! おもしろいですね。

花房:「今日はこんな予測をした、こんなアクションを取った」と報告が上がってきます。それを見ると、今日はどのような感じだったかがわかります。

西口:ブラックボックスだったものを、可視化されたわけですね。

榊:その通りです。レポートを通して、今日のモデルはアグレッシブだったなとか、売上が好き、つまり売上を追いかける傾向があるからもう少し調整が必要だな、といったことがつかめます。どんなモデルも定期的にアップデートするものですが、アップデート直後におかしな挙動をすることがあります。それを1日単位で捉えてチューニングすれば、1週間もおかしな状態を放置するようなことは発生しません。

西口:たくさんのモデルが動いているとのことでしたが、その全体のオーケストレーションはどうされているんですか? 広告運用、レコメンデーションなどのテーマが異なるモデルの成果は、やはりLTVで見ているのでしょうか。

榊:オーケストレーションは、おっしゃるようにLTVをKPIとして、AIではなく人間が対応している形です。

西口:なるほど。それぞれのモデルはAIで自動化しながら、全体の最適化は人間が担っているのですね。それを実行するための指針を立てるために、Slackに報告させていると。

榊:はい。Slackの日々のレポートに加えて、管理会計と財務会計とのズレが気づきになることもあります。フォーマットが決まっている外部向けの財務会計と、経営に役立てるために内部的に行う管理会計は、100%は合わないですよね。管理会計で、例えば消費税を含むかどうか、10年前の顧客のポイントを償却したがトレースするかどうか、と追いかけると大変なのでやらない、とか。そのズレからモデルの改善ポイントに気づき、修正したりします。

マーケターはファイナンスを学ぶべき

西口:先ほどの、モデルのチューニングも榊さんが?

榊:はい。ただ、先ほど西口さんが言われたように、社長がやる必要はありません。うちにもいいデータサイエンティストがたくさん育っていますよ。また花房さんのように、ビジネスもシステムもわかる人がいれば、ビジネス視点でエンジニアと的確にすり合わせができるので、助かっています。

西口:今回お話しして改めて、マーケターにもファイナンスとAIの知識が絶対に必要だと実感しました。榊さんのようにコードを書ける人になれなくても、AIの使い方を理解していれば、マーケティング、ファイナンス、AIの3つをそろえるのはキャリアの上でそこまで難しくなくなるだろうと思います。

 花房さんもアルゴリズム全体を把握されているんですか?

花房:仕組みは知ろうと努力しています。

西口:ちなみに、サイエンティスト側とビジネス側、それぞれの人材採用は難しくないですか?

花房:そうですね、サイエンティスト側は、今はかなり強い方が増えています。一方で、ビジネスもシステムもわかる方は、一休としても多く採用できているわけではありません。テックに強い方をベースに、ビジネスにも興味がありそうか、面接などで探りながら進めている感じですね。

榊:若くてセンスのいいサイエンティストは最近多いですね。また、応募してこられる方が皆さん『DATA is BOSS』(翔泳社・榊氏著)を読まれているので、一休の考えに共感してくださっているのだなと思うとうれしいです。

西口:それはいいことですね! 考え方もそうですが、やはり社風への共感もありますか?

花房:そうですね、当社でいうとすごくスピード感がありますし、トップとの距離が近いので、社風との相性は大きいと思います。

クロスセルをするなら、顧客の行動をトリガーに

西口:今後もさらにAIを進化させて、縦軸(期間別損益管理)でも横軸(顧客別利益管理)でも見て、「良い売上」を上げていかれると思うのですが、そのためにどのような部分に注力されたいか、うかがえますか?

花房:ヘビーかライトか、レジャーか出張かのような顧客セグメントで捉える方向性と、個々人へのパーソナライズの方向性、両方とも伸ばしていきたいと思っています。前者は、ヘビーなお客様の心をくすぐる施策や、初めてのお客様がつい予約してしまうような、"魅せる"施策を強めていきたいですね。逆に後者はAIでどんどん尖らせていければと考えています。

西口:レストラン事業はどうですか?

花房:レストラン側は、まだオンライン化が進んでいないところも多いので、まずはデジタルの世界に在庫を出していただくところからご支援していく段階ですね。開拓の余地がかなりあります。

西口:ちなみに、レストラン事業も高級路線ですから、宿泊とレストランでのクロスマーチャンダイジングなどは推進されないのですか?

榊:今はやっていません。今後、そのカードを切るときがあるかもしれませんが、本質的にやりたいと思っていません。というのも、基本的にはクロスセルって会社都合じゃないですか。どうして一休の宿泊予約を使ったらレストランのレコメンドをされるんだ、って思いませんか?

西口:なるほど、たしかに会社起点で、顧客起点ではないですね。

榊:クロスセルやアップセルは、本当にニーズがあるなら良策ですが、例えばあるホテルに泊まった方に「そのホテルにはレストランもスパもありますよ」と言ってもそんなことはご存じでしょうし、提案の面白みもありません。

 もし実施するなら、顧客の行動をトリガーにした提案ならありうるかもしれません。宿泊のヘビーユーザーでまだ一度もレストラン予約を使っていない方が、1件レストランを閲覧したときがあれば、そのタイミングでレコメンドする、などですね。そうしたら品よく伝えられそうです。ですが、あくまでその顧客がレストランにタッチしたから一休が行動するのであって、こちらから「レストラン、そろそろどうですか!」とはやらないと思いますね。

西口:顧客起点が徹底していてすばらしいですね。本書でも、クロスセルを狙って新商品を重ねた結果、売上が崩壊する「ミルフィーユの崩壊」を解説していますが、榊さんの「会社都合でのクロスセルは狙わない」というのは大きなメッセージだと思いました。

 今回はお二人とも、ありがとうございました!

良い売上、悪い売上 「利益」を最大化し持続させるマーケティングの根幹

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良い売上、悪い売上
「利益」を最大化し持続させるマーケティングの根幹

著者:西口一希
発売日:2025年10月14日(火)
定価:2,640円(本体2,400円+税10%)

本書の核心は、売上を「継続的に利益に貢献する良い売上」と「一過性で利益に貢献しない悪い売上」に峻別し、本来マーケティングが果たすべき役割は「良い売上」の最大化だということ。一見同じ売上でも、初回購入だけの顧客からの売上は赤字に近く、継続顧客からの売上こそが利益を生み出す構造を徹底解説する。

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【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2025/10/03 07:00 https://markezine.jp/article/detail/49954