チャットマーケティングの実践に向け、明日からできること
━━チャットマーケティングに関心を持ったマーケターが、まず明日から意識すべきこと、取り組むべき具体的なマインドセットについて教えてください。
成田:最も重要なのは、行動データだけでなく、顧客の回答データをもとにマーケティングを改善するというマインドセットを持つことです。現代のマーケターはクリック数や滞在時間といった行動データに慣れすぎて、「顧客の回答」という最も強力な情報源を軽視してしまうことがあります。

成田:まずは、「なぜこのユーザーはページを閉じたのだろう」「なぜこの項目で入力をやめたのだろう」という疑問を言語化し、それを対話によって解決できるという可能性に目を向けることから始めてほしいです。
従来のマーケティングのデファクトスタンダードは、クリックや行動データに頼って前に進むことでした。私たちは、この世界に対して「それだけではない」という一石を投じたいと思っています。
そのために、私たち自身が、チャットマーケティングがもたらす価値や事例について、世の中に対して発信し続けていきます。
チャットマーケティングをKPIとセットで広めていく
━━AIの進化や新しいプラットフォームの登場により、チャットマーケティングは今後どのような進化を遂げると見ていますか。
成田:AIがどれだけ進化し浸透しても、人間が一定の選択肢を用意して誘導するという活動は不可欠だと考えています。なぜなら、多くの人は自分の思いを明確に言語化できないからです。
たとえば、Webで検索する際、ユーザーは「大阪 ホテル」のように、自分の曖昧な要望を一つの検索バーに無理やり詰め込んでいます。しかし、本心では「予算は抑えたいけど、夜景の見える清潔なホテルがいい」といった複合的な要望があるはずです。
チャットマーケティングは、その複合的な要望を対話形式で引き出し、最適解へと導く役割を担います。AIによって対話の精度を高めることはできますが、問いの設計は人間のマーケターの仕事として残るでしょう。
━━最後に、チャットマーケティングの今後の展望について教えてください。
成田:ありがたいことに、チャットマーケティングの思想そのものについては、多くのマーケターの方々から共感をいただいています。一方でそれを現場に浸透させるためのKPI(重要業績評価指標)を定義し、チャットマーケティングの概念とともに広めていきたいです。
今後も書籍の刊行や今回のような情報発信を通じて、この新しいマーケティングの価値を、定量的な指標とともに確立していきたいです。
現状の広告施策や成果に課題を感じている方におすすめ!
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