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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Spring

MarkeZine Day 2025 Retail

日本のリテールメディアに求められるものとは?東急ストア・サントリーの先進事例から考える

 昨今、小売業者が持つ顧客データとリアルな接点を活用した「リテールメディア」は、新たなマーケティング施策として注目されている。米国ではAmazonやウォルマートといったECプラットフォーマーがリテールメディアをけん引しているが、いまだリアル店舗での購買が主流の日本では実用的なのか。「MarkeZine Day 2025 Retail」では、リテールメディアを推進する東急ストアの山口修平氏と、メーカーとしてその活用を推進するサントリーの中村直人氏が登壇。リテールメディアに詳しいモデレーターの郡司昇氏と、日本のリテールメディアが目指すべきあり方を語り合った。

米国のリテールメディア市場の成長

 郡司氏は、小売業へのDXやデータ活用による収益改善の支援などを行っており、海外を含めて年間500店舗以上を視察体験している。国内外のリテールメディア事情にも詳しい郡司氏が、昨今リテールメディアが注目される背景を共有した。

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店舗のICT活用研究所 代表 小売DX合同会社 代表社員 郡司昇氏

 まず郡司氏は、米国でのリテールメディア市場が大きく成長していることを指摘。特に「Amazonの検索連動広告が伸びていることが大きい」と説明する。

 米国でのリテールメディア市場はAmazonがシェア約75%を占め、次にウォルマートが続く。この2社がリテールメディアとして成果を出せるのは、ECプラットフォーマーとして圧倒的なシェアを持っているからだ。郡司氏は「メーカーが新規顧客を獲得したければ、広告を出すほかない」と言い、米国ではリテールメディアがメーカーの売上に直結している現状を指摘した。

 米国のリテールメディアはオンラインの売上に効果を発揮している一方で、リアル店舗での売上に貢献している例は少ない。Amazon Freshなどの店舗では紙の広告が中心になっている。また、ウォルマートの店舗のデジタルサイネージも来店者に注目されていない様子だ。

「サイネージ広告で強制視認を生んでも、顧客の興味を引けなければ売上にはつながりません。実店舗でリテールメディアを活用する際は、売場との連動が不可欠です」(郡司氏)

 店舗での購買が主流かつ、多様な小売事業者が存在する日本では、リテールメディアの活用の方向性は異なってくるだろう。

フルファネルでアプローチする東急ストアのリテールメディア

 では、日本ではどのようなリテールメディアの展開が見られるのか。

 リテールメディアの先進企業として、特徴的な取り組みを行っているのが東急ストアだ。顧客とのリアルな接点とデータを活かし、フルファネルのメニューを提供している。東急ストアのリテールメディアが目指すコンセプトは「広告出稿効果の購買リフト検証にとどまらず、メーカー様へ価値あるデータを提供すること」だという。

東急ストアのリテールメディア媒体一覧
東急ストアのリテールメディア媒体一覧
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 山口氏は、「リテールメディアはメーカーさんに広告出稿してもらって、それによってマネタイズすることにフォーカスしがち。しかし我々は、出稿してくれたメーカーさんにどれだけリッチなデータを返すかに重点を置いている」と強調した。

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株式会社東急ストア MD企画部 マーケティング課長 山口修平氏

 東急ストアはPOSデータやID-POSデータはもちろん、購買プロセスに関わる豊富な情報を店舗やLINEを通じて取得している。「こうした1st Partyデータを組み合わせてレポートとして提供することが、リテールメディアの重要な価値だ」と山口氏は言う。

 東急ストアは、消費者との多様な接点を持っている。スーパーマーケットの店舗をはじめ、駅の売店やネットスーパー、東急電鉄が運営する交通機関や施設などだ。この接点の多さを活かして、店舗への来店前・来店中・来店後のあらゆるタッチポイントをカバーする多様なリテールメディアを展開している。

 実際の広告商品として、山口氏は「外部デジタル広告」や「駅の売店のラッピング」「東急グループOOH」「店頭のデジタルサイネージ」などを列挙した。

 デジタルサイネージは全国83店舗で563台設置されている(2025年11月時点)。なかでも特徴的なのが、「入口消毒液付サイネージ」で、店舗の入店時に手指の消毒のために立ち止まるのを利用して、来店者の目にとどまりやすいサイネージを展開しているのだという。

 人気の媒体は「レシートのフッター」だ。メーカーは、レシートの下の部分にアンケートや商品サイトへの誘導を広告として掲載できるという。

 来店後の接点は、公式LINEやネットスーパーなどのオンラインでカバーしているほか、「データコネクティングサービス」も提供している。これは、東急の会員IDとメーカーの会員IDを紐づけて、顧客の購買状況をより詳細に追跡・分析できるようにするものだ。

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 実際に2024年からサントリーとの取り組みを開始し、東急ストア全店舗でのサントリーのアルコール商品購入者の分析を実施。これによって購買者のニーズや購買行動を把握し、ファン化のための施策に役立てられる。

次のページ
メーカーとしてのリテールメディア活用:サントリーの事例

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この記事の著者

岡田 果子(オカダ カコ)

IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/02/05 09:00 https://markezine.jp/article/detail/50129

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