成長の主役はスキンケアへ 韓国コスメ市場の現状
まずは、現在の韓国コスメ市場の動きを確認していきます。
インテージSLIのデータをもとに市場規模の推移を見ると、韓国コスメ市場は直近3年で約1.7倍に成長しており、今なお拡大を続けています。中でも、スキンケアカテゴリーが直近3年間で約2倍と大きく拡大しており、韓国コスメ市場の成長をけん引しています。
カテゴリー:化粧品
データソース:SLI(女性消費者)※代理購買除く
期間:2022年7月~2025年6月(12ヵ月累計)
続いて、韓国コスメの購入状況の変化を購入率・購入者あたりの購入金額の視点で見てみます。購入率は女性全体のうち韓国コスメを購入した人の割合、購入金額は購入者一人あたりの韓国コスメの購入金額を示しています。
カテゴリー:化粧品
データソース:SLI(代理購買除く)
期間:2022年7月~2025年6月(12ヵ月累計)
韓国コスメ全体、特にスキンケアカテゴリーにおいて、購入率・購入者あたり金額に拡大傾向がみられ、購入者数の拡がりだけでなく、複数商品を購買する、もしくはより高い単価の商品を購入するといったかたちで、韓国コスメに対するユーザー関与がより高まっているといえます。
また、韓国コスメのスキンケアをサブカテゴリー別に見てみると、特に栄養クリーム・パック・美容液といったスペシャルケアの商品が伸長しています。
近年では、アンプル(高濃度の美容成分を配合した美容液)や、日常使いできるシートパックといったアイテムが注目を集めており、こうした商品が韓国コスメ好調の後押しとなっていると考えられます。
カテゴリー:化粧品(スキンケア)
データソース:SLI(代理購買除く)
期間:2022年7月~2025年6月(12ヵ月累計)
これらの韓国コスメの市場拡大の背景として、店頭での展開がひとつの要因として挙げられます。下記は、ドラッグストア全店における韓国コスメの販売店の割合(販売店率)、および販売店1店あたりの韓国コスメの平均販売金額(販売店あたり金額)について、直近3年間での年平均成長率(CAGR)を散布図で示したものです。
カテゴリー:化粧品
データソース:SRI+
期間:2022年7月~2025年6月(12ヵ月累計)
ドラッグストアにおいては、特に販売店あたりの金額がこの直近で大きく増加しており、店頭での韓国コスメ売場が拡充されていることを示唆しています。
このことから、ドラッグストアにおいて韓国コスメが“特設コーナー”ではなく、“常設の定番棚”としての地位を確立しつつあると推測できそうです。
若年層から中高年層へ 韓国コスメ市場の拡がり
続いて、韓国コスメがどの年代まで浸透しているのか、年代別でデータを見ていきます。
韓国コスメ購入者のボリュームゾーンは依然として20代が中心ですが、特に注目すべきは40~50代での伸長です。直近3年間で各年代ともに拡大傾向にありますが、特に40~50代で増加率が高く、勢いが感じられます。
カテゴリー:化粧品
データソース:SLI(女性消費者)※代理購買除く
期間:2022年7月~2025年6月(12ヵ月累計)
また、購入率・購入者一人あたりの購入金額の観点で見ると、40~50代はともに増加傾向がみられます。韓国コスメは中高年層の新たなユーザーを取り込むだけに留まらず、同時にヘビーユーザーを育てている状態とも言え、韓国コスメが幅広い年代に浸透し、着実に市場に根付いてきている様子がうかがえます。
カテゴリー:化粧品
データソース:SLI(女性消費者)※代理購買除く
期間:2022年7月~2025年6月(12ヵ月累計)
