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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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CMが流れるたびにXで話題化!花王×DAZNが解き明かす、スポーツファンの心を掴む「3つの要素」

 広告は視聴者にとって「邪魔者」である──。この通説を、花王はスポーツ専門配信サービス「DAZN」との共創によって覆してみせた。花王「サクセス薬用シェービングジェル」のDAZN内広告配信では、斬新なオリジナルクリエイティブ制作によってFandom(ファンダム)を味方につけ、広告が流れるたびに「おもしろい!」とSNSで話題化。さらに商品の販売数アップにもつながったという。なぜこの施策はファンの心を掴み、低関与商品でありながら発話や購買に結びつけることができたのか? 花王・DAZN両社への取材を通して、今回の施策背景と共創プロセス、その結果生み出されたDAZN独自の「クリエイティブフレームワーク」に迫る。

広告は「邪魔者」か?スポーツファンを「仲間」に変える共感のアプローチ

MarkeZine編集部(以下、MZ):昨今、広告が敬遠されがちな中で、DAZNはスポーツにおける広告の可能性をどのように捉えていますか?

大島(DAZN):大前提として、テレビや動画配信サービスにおける広告は「邪魔者」と捉えられがちです。サブスクリプションプラットフォームでは、広告が表示されないプランもよくありますよね。ユーザーの「広告が邪魔だ」という感情を受け止め、逆なでしないような配慮が必要だと思います。

 しかし、スポーツというコンテンツは特殊で、スポンサー企業とファンの距離が近く、広告の受容性が非常に高いのが特徴です。たとえば、スタジアムの看板や選手のユニフォームにスポンサーロゴがあったりしても、特に「邪魔」と感じる人は少ないでしょう。私自身もサッカーファンで、よくスタジアムへ足を運びますが、ピッチ周りの広告が少なかったり、ユニフォームにスポンサーロゴがないとサポーター心理としては心配になってしまうこともあります。それほどスポーツファンはチームを応援してくれるスポンサー企業のことを「仲間」だと捉えているのです。

 だからこそ、アプローチ次第でスポーツにおける広告は、「邪魔者」ではなく、一つの「楽しみ」や「コンテンツ」として愛されるのではないかと考えています。

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DAZN Japan Investment合同会社 バイスプレジデント ブランドストラテジー 大島 久之介氏

MZ:では、どのようなアプローチが望ましいのでしょうか。

大島(DAZN):ファンと企業が真の意味で「仲間」になるためには、ファンの感情や想いに寄り添ったクリエイティブでコミュニケーションを行うことが非常に重要です。そこでDAZNでは、単に広告枠を提供するだけでなく、我々が蓄積してきたファンダムのインサイトを活用し、ファンの心に響くクリエイティブの開発からサポートするソリューションを提供しています。

なぜ花王はDAZNを選んだのか?「低関与商品」を話題化させる打開策

MZ:今回、「サクセス薬用シェービングジェル」のプロモーションにおいて、どのような課題やターゲット設定があったのでしょうか。

星(花王):シェービング剤は、どちらかと言うと日常的に購入される「低関与商品」であり、毎日のように肌に触れて身だしなみを整えるものだからこそ、「失敗したくない」という心理が強く働くものです。そもそも話題化が難しく、ブランドスイッチのハードルが高いカテゴリーの中で、いかに生活者の選択肢に入り込むかが課題でした。

 この現状を打破するためにターゲットとして定めたのが、コロナ禍からの出社回帰の流れでシェービングの必要性を感じている「若手社会人層」です。全年代向けの商品ではありますが、身だしなみ意識の変化を捉え、まずはここを起点に攻略しようと考えました。

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花王株式会社 ヘアケア事業部 サクセス マーケティング担当 星 俊平氏

MZ:「サクセス薬用シェービングジェル」のプロモーションにおいて、今回DAZNをパートナーとして選んだ理由や、期待したポイントを教えてください。

星(花王):実は今回の取り組みの前に、他社で制作したクリエイティブを、DAZNを含む複数媒体で配信したことがありました。ターゲットである若年層での話題化を狙い、実際の実況者を起用した「サッカー実況風クリエイティブ」を制作・配信したのですが、DAZNで配信したタイミングは他の媒体と比べて明らかにXでの言及が多かったのです。低関与商品ゆえに、「まず話題化すること」を重視していた当社にとって、喜ばしい実績となりました。

 これだけ相性がいいのであれば、ファンのインサイトをよく理解しているDAZNにクリエイティブも依頼したほうが効果を最大化できるのではないかと感じ、第2弾である今回は配信だけでなく、制作段階からお願いするに至りました。

「サッカーファンが唸る」オリジナルクリエイティブの裏側。有名実況者起用の理由

MZ:今回の具体的な施策内容と、配信されたクリエイティブについて教えてください。

星(花王):DAZNで配信されているサッカー中継のハーフタイムに流れる45秒CMを、DAZNオリジナルのクリエイティブで制作・配信しました。「サッカー実況風」のコンセプトは前回同様ですが、起用する実況者やCM中の表現はDAZNの提案をもとに一新しています。配信先はDAZNのみ、ターゲットは「サッカーファン」とシャープに絞り切っていたからこそ、彼らにどう興味を持ってもらうか、商品の良さをいかに伝えられるかにフォーカスし、DAZNと共に突き詰めていくことができました。

 クリエイティブは、肌をサッカーのピッチに見立て、実況者の北川義隆氏にシェービングの様子を「実況」してもらうというもの。「華麗なビルドアップでピッチ(ヒゲ)を包み込む」「決めろー!」「Bravissimo!」などの実況らしい表現、北川氏ならではのセリフを入れることでサッカーファンに「おもしろい!」と思ってもらえるツボを押さえつつ、しっかり商品の特長をアピールし、店頭で想起できるCMを目指しました。

実際のクリエイティブ

岡村(DAZN):我々は日頃からソーシャルリスニングやインタビューを通じて、サッカーファンが「何に笑うのか」「何に深くうなずくのか」というインサイトを収集しています。今回はその分析に基づき、徹底してファンダム目線に立ったコミュニケーションを設計しました。

 その際こだわったのが、「シームレスな視聴体験」の創出です。実は北川氏は、本CMが流れた試合の実況も担当していました。試合中と同じ声がハーフタイムでも続くことで、試合の熱狂を途切れさせることなく、広告を「コンテンツの一部」として自然に受け入れてもらう狙いがありました。

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DAZN Japan Investment合同会社 広告営業本部 部長 岡村 鉄平氏

CMが流れるたびにXで話題化!販売数にも寄与

MZ:今回の取り組みの成果をお聞かせください。

星(花王):具体的な数字は控えますが、広告配信後、顕著にシェービングジェルの販売数がアップしました。また、狙っていた「SNSでの話題化」にも成功しています。Xでは「北川さんじゃん!」「面白い!」といった感想に加え、「使ってみようかな」という声も多数見られました。

MZ:話題化が難しい低関与商品にもかかわらず、期待以上の波及効果だったのですね。

星(花王):ええ。一般的な傾向として、シェービング剤のような男性向けの低関与商品はSNSで発話されにくいものなのです。それにもかかわらず、今回はCMが流れるたびにたくさんの発話が生まれたため、例を見ない結果となりました。

岡村(DAZN):Xで動画広告の出稿や動画投稿をしたわけではなく、あくまでDAZN内での広告だったにもかかわらず、ここまでコメントされる現象はなかなかありません。ついついポストしてしまいたくなる、受容度の高いクリエイティブだったのではと考えています。

星(花王):今回の反響はまさに「ファンダムの力」が可視化された結果でしょう。

「ファンダムと仲間になれる」クリエイティブフレーム

MZ:DAZNでは、今回の成功要因を整理・体系化した「クリエイティブフレームワーク」を開発されたと伺いました。フレームワークについて詳しく教えてください。

大島(DAZN):今回の例を含め、かねてよりDAZNで制作するオリジナルの広告クリエイティブは、広告主様がテレビや動画広告として使用されている一般的なクリエイティブよりもブランドリフト効果が高いという結果も出ており、また「SNSでの発話が多い」という感覚値があったんです。この成功事例を偶然ではなく、再現性のあるものとするためにフレームワークを開発しました。フレームワークは「INSIGHT(インサイト)」「EMOTION(エモーション)」「CONTEXT(コンテキスト)」の3つの要素で構成されます。

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DAZNのクリエイティブフレームワーク(クリックすると拡大します)

 1つ目の「INSIGHT」は、ファンが何を好み、何を嫌ではないと感じるかの観点です。広告主様にとっては「好かれる」ことも重要ですが、「嫌われる」ことが何よりも致命傷になってしまいかねませんので、ネガティブなインサイトほど深掘りして考えていきます。

 2つ目の「EMOTION」は、試合を通じた喜怒哀楽のような感情を指します。たとえば、応援しているチームのゴールが決まったときに広告を流せば「買いたい」という気持ちが高まるかもしれませんし、逆も然りです。試合のなかで揺れ動く感情の機微に対して、どのようなコミュニケーションをとれば、企業が「仲間」として受け入れられ、ブランドリフトが起こるかを考えます。

 3つ目の「CONTEXT」は、スポーツにおけるどの文脈を捉えるかということ、そしてどのタイミングで、どの形式の広告を出すと効果を最大化できるかという視点です。今回は「ハーフタイム中の45秒CM」という形式を選択しましたが、DAZNには試合中に画面を囲むように表示されるL字型広告など、多彩な広告枠があります。どれを選択すればユーザーに受容され、適切にメッセージが伝わるか考慮しながら、戦略を設計していきます。

MZ:このフレームワークを活用することで、広告主はどのような価値を得られるのでしょうか。

大島(DAZN):3つの要素を深く捉えることで、ファンの琴線に触れるクリエイティブを実現できます。それによって、ファンを「味方」につけることができるでしょう。このフレームワークを活用していくことで、DAZNならではの「ファンダムと仲間になれるブランド体験」をより多くの企業様へ提供できると考えています。

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クリエイティブワークシート(クリックすると拡大します)

「広告枠」を超え、ファンダムの熱狂を共創するパートナーへ

MZ:今回の結果を踏まえ、「サクセス」における今後のスポーツマーケティングの展望についてお聞かせください。

星(花王):個人的には、今回の成功事例は商品単体のプロモーションのみならず、ブランディングにも活用できるのではないかと感じているところです。「サクセス」の活気ある前向きなブランドイメージと、スポーツは相性がぴったりではないでしょうか。DAZNとはブランディング方面でもいつかご一緒できたらうれしいですね。

MZ:最後にDAZNから広告主・代理店に向けたメッセージをお願いします。

岡村(DAZN):DAZNを「広告枠」として使っていただくことはもちろんありがたいのですが、もう一歩踏み込んで、「ファンダムの熱量を増幅させる場所」としても有効活用いただきたいです。DAZNでは今回のようなオリジナルクリエイティブの制作はもちろん、実況者やアスリートとのコラボレーション、ユーザーとのインタラクティブなプロモーションなど、多角的な価値提供が可能です。加えてDAZNのプラットフォーム内にとどまらず、リアルイベントなどを含む、動画配信プラットフォームの枠を超えたソリューションにも注力しています。CM以外にも幅広い提案ができますので、根本的な課題感から寄り添うスポーツを活用したマーケティングのパートナーとして、ぜひ活用いただきたいですね。

大島(DAZN):我々DAZNは「スポーツプラットフォーム」であり、その一番の醍醐味は「ライブ感」だと考えています。筋書きのないスポーツという環境のなかでこそ、ファンダムの感情を捉えたコミュニケーションは、大きなブランドリフトを生むことができるのではないでしょうか。2026年、DAZNではFIFAワールドカップ26を全104試合配信することが決まりました。FIFAワールドカップをはじめ、2026年は大きなスポーツイベントが目白押しで、コアファン以外も含め、日本中でスポーツ熱が非常に高まる年になるはず。この機が熟すタイミングに、ぜひ多くの企業様と「ファンの心に響く価値」を創造していきたいです。

熱狂的なスポーツファンと深くコネクトしたい広告主様へ

 DAZNには日々、様々なライブスポーツを楽しむ熱量が高いスポーツファンがユーザーとして多く存在します。視聴者同士が熱狂を共有し、リアルタイムで交流できるFanZoneなどを通じて、コンテンツ視聴を深い共感と参加の体験へシフトさせています。本記事でDAZNのユーザーやサービス特長、広告商品などにご興味を持たれた方は、DAZN広告公式サイトへお問い合わせください。

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この記事の著者

安光 あずみ(ヤスミツ アズミ)

Web広告代理店で7年間、営業や広告ディレクターを経験し、タイアップ広告の企画やLP・バナー制作等に携わる。2024年に独立し、フリーライターへ転身。企業へのインタビュー記事から、体験レポート、SEO記事まで幅広く執筆。「ぼっちのazumiさん」名義でもnoteなどで発信中。ひとり旅が趣味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:DAZN Japan合同会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/01/28 10:00 https://markezine.jp/article/detail/50248