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マーケティング最新事例 2026

なぜ「アセドロン」は2年で300万枚売れたのか? グンゼが構築した「未充足ニーズ」起点の新スキーム

未充足ニーズを中心に据えた、機能ブランディングスキームの全体像

──ここまでお話しいただいたソーシャルリスニング・モーメント設計などの打ち手は、すべて「機能ブランディング」というスキームの中に位置づけられているそうですね。改めて全体像を教えてください。

 属人化を防ぎ、形式化することをミッションに、1年〜1年半かけて「機能ブランディング」のスキームを作り上げました。中心に「未充足ニーズ」を置き、その周りを以下の5つのフェーズが取り囲み、順番に進めていく構造です。

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機能ブランディングのスキーム図
(クリックすると拡大します)

「未充足ニーズ」を中心とした5つのフェーズ

フェーズ0:未充足ニーズの確認と満足度の特定(市場把握)

 顧客に自社商品がどのような文脈で想起されるのか、そこに未充足ニーズが存在するのかを調査し、世の中との接続性を確認する。既にニーズが充足されている市場では戦えないため、勝ち目の有無を判断する。

フェーズ1:真のペインの特定(インサイト把握)

 未充足ニーズがある市場において、何に満足していないのか、ソーシャルリスニングなどを通じて顧客自身の言葉から探し出し「真のペイン」を特定する。

フェーズ2:独自機能と提供価値の設計(企画・開発)

 見つかったペインを解消するために必要な機能を開発する。機能性をそのまま訴求するのではなく、顧客のペインにリンクした価値を提供できるよう、開発段階からマーケティングチームが伴走する。

フェーズ3:気づき・共感の設計(クリエイティブ・コミュニケーション)

 「インナーベタつかない?」のように、問いかけるコミュニケーションを設計。まだ自身のペインに気づいていない潜在顧客に「確かにそうかも」と共感してもらうことを目指す。

フェーズ4:信頼の獲得(PR)

 一方的な広告ではなく、良質なフィルターを通して共感と信頼を形成する。低関与商材だからこそ、「誰かが使っている」「話題になっている」という期待感をどう醸成するかが鍵になる。メディアに向けたPR活動や、生活者の発話(UGC)を促すキャンペーンを通じて、第三者の言葉で商品が語られる仕掛けを作る。

業界の壁を越えた「ムーブメント」を起こすために

──今後の展開について教えてください。

 2026年6~7月に、アセドロンの広告を実施します。テレビCMは新製品のTシャツとブラを中心に展開し、生活者の声から生まれた新商品の登場を伝えます。「とぅぅー」「べったぁー」など、我々が造語した汗特有の擬音語「アセマトペ」を用いることで、ターゲットに自分事として共感してもらうことを目指しています。

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2026年6月から展開予定のテレビCM

 モビリティ広告は、「インナー、ベタつかない?」と問いかけるコピーで運行する予定です。モビリティは、「信号待ち」などベタつきを感じるモーメントに対して、最もクリティカルな広告手法だと位置づけています。そして、機能ブランディングのスキームで設計したフェーズ3の「問診」のコピーを、最も刺さる場所で投げかける。フェーズ0〜4を一周してきた上での最適解です。

──より中長期での構想を教えてください。

 業界の壁を越えたムーブメントを起こしたいです。異業種の企業でコラボして、ライフスタイルの提案をできたら楽しいなと思ってます。たとえば「冷房は何度に設定しましょう」というガイドラインを、複数の業種で連合を組んで発信する。

 飲料メーカーと飲み物での体温調整を提案したり、建築メーカーと壁材まで含めて連携できたりすれば、生活者にさらに快適な環境を提供できますよね。行政まで巻き込めると最高だな、というのが「夢」としてあります。

 メーカーの使命は、文化を作ることだと思っています。たとえば、ワイシャツの下にインナーを着る文化は欧米にはなく、多湿な日本だからこそ生まれた新しい文化です。アセドロンも「一企業のブランドが売れた」というレベルでは終わらせたくありません。生活者の言葉を起点にしたこの機能ブランディングのスキームは、その挑戦のための強力な土台になるはずです。

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この記事の著者

竹上 久恵(編集部)(タケガミ ヒサエ)

早稲田大学文化構想学部を卒業後、シニア女性向けに出版・通信販売を行う事業会社に入社。雑誌とWebコンテンツの企画と編集を経験。2024年翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/05/19 09:00 https://markezine.jp/article/detail/50721

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