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マーケティングの未来を探求!MarkeZine Day 2008レポート

【MarkeZine Dayレポート】
「単なるセールスレコメンデーションでは意味がない」真のレコメンデーションに必要なのは“個”客との物語


レコメンデーションを行う3つの意味

 その効用として安田氏は3点を上げる。まず1つ目は顧客に気づきを与えること。ついでについつい買ってしまうという「クロスセル効果」がその代表例だろう。そして2つ目は顧客の利便性を高めること。そして最後に顧客のステージに合わせ提案していく、育成的な役割である。

 こうした考えのもと、ブレインパッドではWebサイトレコメンデーションシステム「Rtoaster」を開発し、提供している。レコメンデーションの手法としては、あらかじめルールを設定する「ルールベース」と、嗜好性によるグルーピングで行う「自動レコメンデーション(KANEL法)」の両方に対応しており、用途や目的に応じて使い分けることが可能だ。

 いずれの方法を採用しても、レコメンデーションを成功させるには、生き生きした顧客像を創り上げられるような「物語性」が不可欠であり、それを描き出せるような濃密なコミュニケーションが求められている。

 そのためには、Webサイトだけでなく、コールセンターへの連絡や実店舗での購入履歴など、多面的な情報収集と分析が大切だ。つまり、一人ひとりの綿密な顧客対応という考え方こそ、レコメンデーションを成功させる基礎となるというわけである。こうしたCRM連携の考え方も「Rtoaster」の特徴の1つといえるだろう。

目的に応じて応用が可能

 ただし、個人の物語を創るほどのデータともなれば、あまりに膨大だ。そこで、ブレインパッドではその膨大なデータを点数化することで軽く柔軟なデータ管理&分析を可能にしている。他にも、表示コンテンツの効果をテストする機能や個人に対して直接レコメンドできる機能などが搭載されている。

 こうしたレコメンデーションシステムによって、どのような効果が期待されるのか。クリック率やコンバージョン率はもちろん、トップページからの遷移率やバナーのクリック率なども向上し、結果として売り上げ効果につながっているという。

 用例として、訪問者のセグメント分類によるもの、ランディングページやキャンペーン、サイト内検索キーワードやショッピングカートといった場面に応じたレコメンデーション、商品や顧客などを軸にしたレコメンデーションなどが紹介された。

 他にもコンテンツの効果テストやメール配信のランディングページ、モバイルサイトにおけるものなど、紹介されただけでも11もの数に上る。それ以外にもユーザー側の考え方やアイデアによって実に多様多種の使い方や成功例があるという。

 まさに使いこなす「マーケター」によってどんなツールにもなり得るということだろう。

マクロな視点とミクロな視点を

 しかし安田氏は、レコメンデーションを成功させるのはアイディアの豊かさや施策の素晴らしさだけでは不十分と指摘。一時的な効果をもって良しとするのではなく、Webサイト全体把握、広告効果測定、そして“個”客の把握・分析、施策の実行といったPDCAサイクルを回す中から最適化を図ることが重要と語った。

 そして、ブレインパッドのツールはもちろん、長年培った分析ノウハウを駆使したコンサルティングなど多面的な支援を活用してほしいと結んだ。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウマミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2008/09/26 12:32 https://markezine.jp/article/detail/5527

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