ゾクゾクとリリースされる各社最新ブラウザ
ウェブブラウザをめぐる状況が目まぐるしい。Mozilla Japanがリリースパーティにユーザーを招いて「Firefox 3」を大々的にお披露目したのが6月26日。それからまだ3か月も経っていないというのに、今度はGoogleが公開した新型ブラウザChromeのβテスト版で話題はもちきりだ。わずか1日で1%のシェアを得たとの報もある。(参考情報:Chrome Grabs 1% in One Day!)
その影に隠れてしまっているが、対抗する各ブラウザも負けてはいない。
9月にはいってからFirefoxもOperaも次期バージョンのテスト版をリリースしている。Safariでも、Chromeのものよりさらに速いJavaScriptエンジン「SquirrelFish Extreme」を発表。そんななか、タブブラウザの雄「Lunascape」も「世界最速」をうたったαテスト版をリリース。迎え撃つマイクロソフトもIE8のβ2を公開している。
あまりにさまざまなブラウザのいろいろなバージョンが出ていて混乱しそうなので、今年リリースされた主なブラウザをまとめてみた(表1)。6月半ばに各社の最新版正式リリースが続き、そして夏の終わりからこの秋口にかけてテスト版がバタバタっとリリースされている。偶然とはいえ、なかなかおもしろい傾向である。
2008年の主な(Windows向け)ブラウザのリリース状況 | |
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リリース月日 | ブラウザ名とバージョン |
2月13日 | Internet Explorer 7.0 for Windows XP(日本語版が自動更新で配布開始)[*] |
3月18日 | Safari 3.1 for Windows (正式版) |
3月11日 | Internet Explorer 8 β1 |
6月12日 | Opera 9.50 (正式版) |
6月17日 | Mozilla Firefox 3 (正式版) |
6月19日 | Safari 3.1.2 for Windows (正式版) |
8月22日 | Safari 4.0 Developper Preview Update1 |
8月28日 | Internet Explorer 8 β2 |
9月2日 | Google Chrome β |
9月5日 | Firefox 3.1 (Shiretoko) α2 |
9月11日 | Opera 9.6 β1 |
9月16日 | Lunascape 5.0α1 |
IE6の後釜を狙う各ブラウザの傾向と対策
もっともインターネット全体を見回せば、ウェブブラウザのシェアではいまだマイクロソフトのInternet Explorerが圧倒的に大多数だ。そういう意味では、注目すべきは2月のIE7自動更新開始だろう。つまり、Windows XPとともに長く長く市場を占拠してきたIE6の時代に、ようやく終わりが見えはじめたということでもある。
IE6とWindows XPのリリースは2001年秋。この組み合わせで7年間も市場を支配してきた。圧倒的であるがゆえに「重い」だの「セキュリティホールだらけ」だの批判にもさらされてきた。
はたしてユーザーはすんなりIE7に乗り換えるかどうか。自動更新が開始されて半年経つのに、IE6の利用者のほうがまだ多いようだし、むしろ何かに入れ替えなければならないのなら別のブラウザを試してみよう、というひとも多いのではないか。
とするなら、今こそ各ブラウザがシェアを獲得する絶好の機会といえるだろう。IE6のシェアをかっさらおうとてぐすね引いているのは、いったいどういう面々なのか。
どうせ試すなら、少しでも最新版をということで、開発版の入手方法などもあわせて紹介しよう。どのブラウザがほんとうに速いのか? 試してみるのも秋の夜長の過ごし方としては一興だろう。