リアルとの連動による市場成長への試み
ゲーム以外でも、リアルな生活の場と携帯のデジタルコンテンツの連動による新しい取り組みが行われている。
通信販売大手のニッセンと「顔ちぇき!」という異なるジャンル間でのコラボレーションもその1つだ。「顔ちぇき!」でユーザーが送信した顔写真に対して、イメージにあった香水をレコメンドしたところ、2週間で約80万のアクセスを集め、購買数はキャンペーン前の3~4倍増加したという。
また、11月からワーナーマイカルでは、新機能「iコンシェル」を使って映画の上映予定を携帯に自動配信し、カレンダー上からチケットの購入ができるサービスを開始した。GPS機能を使い、約10,000店舗の中から現在地周辺のお店のチラシが検索できる凸版印刷の「Shufoo!mobile」というサイトも同じく11月からスタートしている。欲しい場所、欲しいタイミングで情報を届けるという、携帯ならではの特性を活かしたサービスが広がり始めている。
そのほかにも、iアプリがバージョンアップし、iアプリコールを利用してアプリから直接、他のユーザーを対戦に誘うことができるようになった。離れたユーザー同士ではなく、友人を誘って対戦したりといったコミュニケーションの取り方は、ゲーム以外の利用方法もあるのではないかと、原田氏はその可能性を示唆する。
「今までは、携帯の中だけで完結していたデジタルコンテンツが中心だった。その後、『おサイフ携帯』や『地図サービス』などデジタルコンテンツがリアルな生活の場に出ていくというアプローチが行われてきた。今後は、逆にリアルがデジタルコンテンツをうまく使い、双方がビジネスを伸ばしていく形が、市場拡大につながると思う」
このような取り組みを進めていくことで、iモードのメニューリスト以外からもユーザーを流入させ、メニューリスト内のユーザーのパイを増やしていく考えだ。最後に原田氏は「ポータル、インターフェースの改善も引き続き取り組み、コンテンツの活性化につながる工夫をしていきたい」とセッション締めくくった。

