モバイルSEOを効果的に推進するには?
それでは内部対策のために何を行えばいいのか。モバイルSEOにおいて特徴的なのはやはりimodeやEZwebなどのような公式検索エンジン対策だろう。その場合、もっとも注力すべきなのがサイト全体に対するバランスであり、キーワード量、コンテンツ量、さらにリンク構造やページ数なども影響するという。一方、GoogleやYahoo!といった一般検索エンジンでは、トップページの対策がカギとなり、被リンクの数・質・環境も大きく影響するようだ。
こうした環境を踏まえつつ、モバイルSEOを効率的に推進するにはどうするべきなのか。梅澤氏は、サイト内部の修正は「基本をおさえること」、そして外部対策は「持久力が勝負」と語る。外部対策の場合、施策を行って2カ月ほどの遅れをとって効果が出る。その際に諦めてしまう人が多いのが問題だという。
それでは各論についてはどうだろうか。以下ポイントを列挙する。
キーワード対策:middle/smallキーワードが狙い目
対策キーワードについてはbigキーワードからmiddle・smallキーワードに移行しつつある。特に社名やブランド名などの「普通なら検索されるはずのワード」が検索されず、意識的なSEO対策が求められることが増加しているという。また、その際にはPCサイトに比べて対策できるキーワードが少ないため、厳選したキーワードを選択することが必要だ。
梅澤氏は「キーワードレベルの大小と対策の難易度は比例しておらず、複数ワードだからといってコンバージョン数が少ないわけではない。あえていうならキーワード選定の目安は出現率の高さであり、明確な費用対効果が出しにくい状況にある」とその難しさについて言及した。
インデックス対策:制限の解除/サイトマップの設置
インデックスについては、公式検索サイトの制限を解除すること、それから一般検索サイトのクローラーの来訪を確認し、インデックスされていない場合は推奨しているサイトマップを設置して申請することの必要性に触れた。
テクニック重視は危険/地道な対策が生きるのはPCと一緒
なお、SEOが難しいサイトの例として、情報が多岐に渡るポータルサイト、コンテンツが少なすぎるサイト、そしてキーワードと相違があるサイトなどがあげられた。さらに、モバイルサイトなのにPCのサイトであることを宣言していたり、不要なHTMLコードが残っているもの、トップページの上位に下位のコンテンツが入っているもの、1サイトに数のドメインがまたがっているものなどが紹介された。フルFLASHや動的URLなどの問題も多いという。
しかし、梅澤氏はそうした技術的な問題よりも「テクニックを駆使して無理に上位にあげ、ペナルティを受ける方が問題」と語る。そして、「キーワードを絞り、コンテンツを拡充し、モバイル検索の正しい情報を常に把握する、そうした地道なSEO対策が結実する可能性が高い。ユーザービリティとクローラビリティを高めてこそ、価値の高いサイトとして認められる」と結び、堅実なSEO対策の在り方を力説した。