月間6000万PV/売上9億のECサイト「HMV ONLINE」
情報感度の高い音楽ファンにも支持率の高い、大手レコード販売店「HMVジャパン」。首都圏・地方都市圏を中心に、実存店舗は67店を数え、年間約4200万人が来店する顧客吸引力を誇る。さらに、広く深いコミュニケーションを目指して、ネットによるビジネス展開も行い、通常は把握しにくいニッチなユーザーまでも顧客として取り込むことに成功したという。1999年にECサイトの「HMV ONLINE」開設して以来、好調な成長を遂げ、現在では、PVで月間6000万超、売り上げで9億円近くにも上り、会員数は350万人にもなる。
そうしたユーザーの期待を支えるのが、280万タイトルという豊富な品揃えと、いち早く取り組んだ音楽ダウンロード販売。そして、Yahoo!ショッピングや、モバデバ、ビッターズなどのショッピングサイトにも出店した網羅性などにもあるようだ。雨宮氏は「もともとヘビーユーザーが多かったHMVのサイト、Yahoo!という一般ユーザーとの親和性の高いサイトの集客力によって顧客層が厚くなった」とその効果を語る。
なお実店舗の顧客属性については、20~30代が80%以上を占め、女性より男性の方が来店数が多い。一方、オンラインショップの方は、男女比についてはさほど差がないものの、年齢構成として30~50代が増加傾向にある。この事象について雨宮氏は、「かつて音楽が好き、もしくは今も聞きたいと思っているが、なかなか実店舗に足を運べない公私ともに忙しい層が、オンラインショップならということで利用するのだろう」と分析する。
モバイルサイトは月間1300万PV越
また、2000年に立ち上げた「HMV MOBILE」(http:/m.hmv.co.jp/digital/)については、月間PV数は1,300万に上り、2006年のリニューアルが起点となって、ますますの増加傾向にあるという。リニューアルにおいては、それまでテキストベースだったものを画像を多数活用して魅力向上に努めた。PCと同じデータベースを基にした品揃えに加え、携帯音楽配信などともリンクしており、店頭配布のフリーペーパーからはQRコードを介してダイレクトにアクセス可能となっている。PCサイトと同様30代以上が多く利用していることがうかがえ、モバイルという端末の性格からか、PCサイトに比べて10代のユーザーが多いのも特徴だ。2007年には店舗とメンバーズポイント制度を共通化したこともあり、よりいっそうの連携が課題だという。