Operaウィジットの3つのメリット
安江氏は、Operaウィジェットの開発と組込みアプリの開発工数の比較についても解説する。「組込みアプリの場合、端末ごとに異なる技術を用いるため知識の習得や開発に時間がかり、プログラマーが中心の開発スタイルとなる。Operaウィジェットの場合は、HTMLとAjaxなどを使って既存のWebアプリ開発スキルとWeb上の豊富なリファレンスを利用できるため、Webデザイナーにも開発が可能で、工期も短縮できる」と述べた。
Web標準の技術とは別に、Opera独自の機能「Native JavaScript Extension」も利用できる。これは携帯端末が持つ、アドレス帳やスケジューラーなどのネイティブアプリや、GPSやカメラなどのハードウエアとWebサービスを連携さるためのAPIだ。携帯電話のスケジュールとWeb上のカレンダー、GPSと地図サービスなど、端末の機能を拡張できるようなアプリを作る可能性を持つ。
Operaウィジェットの開発は、PC上で行う。ハードウエアは通常のWebサイト制作に使用しているものでかまわないという。ほかに必要な端末は動作確認用の端末。ソフトも一般的なWebオーサリングツールや画像作成ツールに加え、Operaデスクトップの最新版(9.62)とデバッグツール『Opera Dragonfly』、Operaウィジェットのエミュレータ『Opera Widget SDK』だ。Opera Dragonflyは、最新版のOperaデスクトップには同梱されており、デバイス上のコンテンツをリモートでデバックする機能を持つ。Opera Widget SDKは、Operaのサイトから無償でダウンロードでき、開発に必要なライブラリやドキュメントも同梱し、エミュレーターでは画面サイズや通信速度を再現した確認ができるという。
Operaウィジェットを構成するXMLやHTML、スクリプト、css、イメージを用意し、完成したらwidgets.opera.com にアップロードするか、eメールやBluetoothで直接端末に送信するかして実機での動作を確認できる。Operaウィジェットの公開は、Opera提供のウィジェット公式サイト)のほか、OEMメーカーのポータルサイト、通信キャリアのポータル、 コンテンツプロバイダー各社のサイトなどさまざまな場所から行うことができる。
最後に安江氏は、Operaウィジェットの3つのメリット「ウェブ上の既存資産の有効活用が可能」「デバイス向けアプリ開発時間の大幅な短縮」「端末固有機能とウェブサービスとの連携」を強調して講演を締めくくった。