2017年には媒体費だけで1兆円規模に
発表された資料によると、市場構造の変化や経済環境などの内外の要因により、インターネット広告市場の成長水準は過去と比較して穏やかになりつつも、年率6%から13%、金額にして毎年500億円から800億円規模の成長が見込まれる。市場規模は2013年には8,510億円となり、同水準の成長が維持されれば、遅くとも2017年には媒体費のみで1兆円規模になると推定される。
しかし、1兆円の大台に乗るためには、2010年から2012年頃までのモバイル広告市場規模の、上位シフトを伴う急激な成長、2011年頃より期待される経済状況の改善による、ディスプレイ広告市場の成長水準が再度上向くことが前提だと、シード・プランニングは分析している。
どうなる?今年のインターネット広告
2006年頃までは高い成長水準を維持してきたPCディスプレイ広告市場の成長は、2007年頃より変化をみせ、2008年には停滞感が見られるようになっている。その一方で、ユーザーを属性や、嗜好性などによるターゲティングされた広告への需要が高まり、PCディスプレイ広告市場を下支えしている。2009年は前年並みか、やや上回る程度のトレンドで推移することが見込まれるが、景気状況が更に悪化すれば前年を下回る可能性もあり得る。
検索連動型広告に代表されるPCリスティング広告市場は、2008年は前年を20%上回る成長率を示して依然として高い成長水準にある。今後の成長トレンドはやや穏やかになりながらも、市場全体を牽引していくことが見込まれる。
また、2008年も急成長を遂げたモバイル広告市場は、2009年は景気悪化の影響によって一時的に新たな広告主によるモバイル広告利用の広がりが穏やかになることが想定される。アフィリエイト広告市場は、モバイルアフィリエイト広告の需要拡大が市場を牽引し、PCアフィリエイト広告も2007年頃までに一部に需要停滞が見られたが、2008年後半より回復の兆しも見られることから、2009年は二桁増の成長が見込まれるとしている。
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