自動リンク集の仕組みとリンク元のインデックス
次に、リンク集について見ていこう。例えば日本では「Yomi-Search」というCGIを利用したリンク集をよく見かけるが、このYomi-Searchに限らずリンク集のほとんどは管理人の手作業ではなく、CGIやPHPなどのスクリプトによって自動的に登録されるような仕組みになっている。そして、リンク集サイトにはいくつかのカテゴリが設定されてあり、登録ユーザーは最低一つのカテゴリを選択して自分のリンクを登録する。
問題はここからだ。「新着」や「更新」などはもとより、登録したカテゴリのページでは、新しく登録したサイトが常に上に来る仕組みになっている。だから、早く登録したサイトほど次のページ、そのまた次のページと後ろに押しやられるのである。同じURLなのに常にページが書き換わり、自ページの登録記載が次のページに移動するたびに、検索エンジンのロボットが常に追っかけてインデックスしてもらわねばならない、という事態になる。

こうして、時間とともに自ページの登録記載は、ロボットもやって来ないかもしれないような奥に追いやられるのである。これでは「スパム」ではなく「スラム」だ。そしてリンク元を失えば、SEO効果もゼロに戻る。
そういうことであれば、登録するべきリンク集とは、検索エンジンにインデックスされるがページがほとんど書き換わらないサイト、言い換えれば、ロボットが来るけど人が来ないようなリンク集が狙い目ということになってしまう。だがこれは現実的ではないだろう。
リンク集における順位アップと順位ダウン
さぁ、それでは、3000ほどのリンク集サイトに登録するような、一括登録業者やツールなども活用することを考えてみよう。この場合、3000箇所のリンク元が一挙にインデックスされるわけではないから、ロボットの巡回や検索エンジンの登録の進捗によって、急速にあるいは緩慢に順位がアップしていく。もちろんピークは3000箇所のリンク元がインデックスされた時だ。
だが、時間が経つにつれ、自ページの記載は奥へ奥へと深みに入り、リンク元のインデックス数が減少していくので、急速にあるいは緩慢に順位がダウンしていく。こうして順位は元に戻るのである。
このパターンに入った場合、人間の性としては、良い時を基準に「順位が落ちた」と感じることはあっても、決して「元に戻った」とは思わないから、「スパム判定されたかもしれない!」「リンク集はリンクファームだったのか!」などと根拠のない愚痴がこぼされることになるのである。
リンク集の世話になろうとするからには、ほかにも相互リンクや宣伝書き込みなどに励んでいるだろうから、自分が管理していないページのインデックス削除が起こっていて、リンク集に限らず別のプロセスでもリンク元を失い、総合的に順位ダウンしているものと想像される。
もし仮に、自動リンク集などへの一括登録が「リンクファーム」の悪用であり、このことでペナルティを受けるのであれば、自サイトよりも順位が上にある邪魔な競合サイトを一括登録すれば簡単にライバルを蹴落とすことができる理屈になる。そんな馬鹿なことがあるだろうか?