大半のユーザーはRSSを意識せず利用している
RSSの直接の購読者が伸び悩む一方で、iGoogleやMyYahoo!といった、エンドユーザーがRSSの存在を意識せず利用できるツールは急速に普及している。フィードフォースが手がけるソリューションの大半も、エンドユーザーに直接意識されていないRSSの活用だ。
阿部氏が目にしたアメリカのYahoo!の調査では、RSSを認知してMyYahoo!を利用している人の割合は全体の四分の一程度だったとのこと。では、こうしたエンドユーザーが意識しないRSSは、企業サイトのどういったところで活用されているのだろうか?
「例えば、みずほフィナンシャルグループさんのサイトでは、RSSを使ってグループからのお知らせを自動表示するようになっています。また、ファッション通販サイトのスタイライフさんの場合、アフィリエイトのブログパーツに読み込ませています。サイトを更新すると自動的にバナーに反映されるので、アフィリエイト向けの運用は完全にノータッチです。ユニクロさんやニッセンさんのように、GoogleツールバーでRSSを購読できる専用カスタムボタンを提供する企業もあります」



サイトでのRSSを導入後は、3ヶ月から半年間は購読者が伸び、その後は緩やかな伸びとなる傾向にある。このため、短期のキャンペーンサイトなど、結果が出る前に終わってしまうようなものは、直接の購読を期待できない。キャンペーンサイトの場合は、サイト単体での購読以外に、ツールバーやデスクトップツール、ブログパーツといった基本を導線を作ったうえで、多様な場所からフィードを読んでもらえるインフラに対して、さまざまなフィードに混在させて配信するケースも増えている。
最近の新たな活用事例としては、iチャネル(iモード向けのサービス)に情報提供している企業がRSSを使うケースがあるという。通常、iチャネルはFlashコンテンツとして入稿する必要があり、情報配信のためには専用のASPサービスなどを利用しなければならないなど、更新に手間がかかる場合が多い。しかし、サイト上のRSSフィードとFlashを連携させることで、iチャネルへの情報配信を自動化することも可能となる。既にフィードフォースのクライアントの中には実際に活用している企業もあるという。
「RSSは情報の連結手段としてさまざまな場面での活用例が増加しています。しかしそもそもRSSをきちんと利用できる状態にしておかなければ、来訪者もサイトオーナーも、その恩恵にあやかることはできません。そのため、まずは基本となるポイントを抑え、柔軟に運用できる体制を整えて配信することが重要です」
