「RSS Suite」などASP型配信サービスを主軸に、フィードやメタデータを活用した企業向けサービスを提供するITベンチャー。最新のテクノロジーをマーケティングに取り入れたサービスを数多く開発・提供している。最近では、社内コンペから誕生した、感情を記録できるブログパーツ「えもにゅ」が話題に。
※約半数がエンジニア、週40時間労働性など「えもにゅ」を生み出した独特の社風が知りたい方は、CareerZineでのインタビュー記事も併せてご覧下さい。
エンドユーザーと企業の双方にメリットのあるRSS
昨今、製品専門サイトの立ち上げや新規サービスの開始などに伴うサイト改変が相次ぐなか、いかにサイトへの新規ユーザーを増やし、既存ユーザーを逃がさないかは運営側にとって悩みの種。その中で、サイト訪問者に対して自ら情報やコンテンツを発信できるRSSは、効果的なコミュニケーション手段と言える。
ASP型RSS統合管理ツール『RSS Suite』をはじめ、RSSを活用したビジネス支援サービスを提供するフィードフォース。今回、取締役の阿部樹氏に、RSS導入・運用のポイントと昨今のRSSを取り巻く状況について伺った。
RSSのメリット
まず、エンドユーザーがRSSを購読するメリットは、メールアドレスの登録も必要なく、ユーザー自身が情報の取捨選択を完全にコントロールできる点にある。
一方、RSSで情報配信する企業側のメリットについては、大きく分けて2つある。1つは、RSSを購読するエンドユーザー向けの情報配信ができる点。もう1つは、ブログパーツやデスクトップガジェットなどと連携し、エンドユーザーがRSSと認知していないところでも情報を流通できる点。RSSが登場した当初は前者がほとんどだったが、現在では7:3の割合で後者のニーズが増えているという。
また、企業側にとっては、管理コストの低さもメリットの1つだ。
「例えば、同じプッシュ型で情報を配信できるメールマーケティングでは、都道府県別にセグメントするなどの細かい設定で配信するとなると、運営コストがどんどんかかってしまいます。RSSの場合、都道府県別のフィードを作ることは簡単ですから、それをユーザーに任意で選択してもらえばいいわけです。私が関わった企業の方からも、ユーザーが選んで受け取ってくれるならその方がいいという声も挙がっています」
ただし、エンドユーザーが直接RSSを購読するという意味での利用率は近年も上がっていない。
「2004年に弊社で事業を始めて、2006年くらいまでエンドユーザーのRSS利用率は10%弱でした。Internet Explorer 7の登場で利用が伸びると期待していましたが、実際はいまひとつの反応で現在も状況は変わっていません。ですから、メールからRSSへ切り替えたいという企業に対しては、『全面切り替えは、少しもったいないです』と手控えていただいています」