SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

織田浩一の近未来マーケティングガイド

Googleは敵か味方か? - 第10回


 Googleは「PC Magazine」や「Maximum PC」などの雑誌で、1ページ広告を自ら購入し、それを既存のAdSenseの広告主に分割する形でオークション販売を行ったのだ。そして2006年2月にも「Martha Stewart Living」「Ellegirl」「Motor Trend」や「Road&Track」などのライフスタイルマガジン20誌余りに対して、同様のオークション形式での広告販売を行った。

 実はこの結果はあまり芳しくなかったと報告されているが、Googleは紙媒体への進出を躊躇せず、その後、すでにYahoo!が力を入れていた新聞広告へ打って出て行く。 2006年11月にGoogleは「Gannett」、「Tribune Company」、「The New York Times Company」、「Washington Post Company」など主な新聞社が所有する新聞66紙、約100の広告主とともに、広告テストを開始している。

 また新聞だけでなく、ラジオでもアクションを起こしている。2006年1月にGoogleがdMarc Broadcastingを1億ドル以上をかけて買収したことは、かなりの話題となったので覚えている人も多いだろう。 dMarcは全米のラジオ局の40%程度が利用しているといわれる自動広告挿入システムを扱っており、このシステムを利用することで、ラジオ局はDJだけで放送が可能になるのだ。

 7月に発表された、Google Audio広告は、このdMarcとAdSenseを組み合わせたようなサービスで、デトロイトや衛星ラジオ放送XMでテストが行われている。

Googleが買収した「dMarc Broadcasting」ホームページ

 この動きをさらに推し進めているのが、GoogleとCBSの提携だろう。

 CBSはNBC・ABCとともに知られる米国の三大テレビネット-ワークのひとつとして知られており、世間ではGoogleとの提携によって、「CBSの番組がYouTubeで番組が流される」と話題になっているようだ。しかしさらに注目すべきことは、CBS傘下の「CBS Radio」は150のラジオ局を持っており、これらの広告在庫の10%がGoogleを介して販売される可能性が高いと伝えられていることではないだろうか。

 今回の提携には、CBS系列テレビ局の広告在庫についても含まれている」といわれており、Google幹部は以前から、テレビCMに関しても参入したい意向を示している。

 そして、現在、話題として上がっているのが、Googleによるゲーム内広告ネットワークAdScape Mediaの買収と、屋外電子広告での特許申請に関するものだ。後者は、近くで販売されている商品について、商店などで商品在庫情報を入力することができ、広告商品の在庫がなくなると広告表示が終わるというものだ。

次のページ
「世の中の情報をすべて整理する」という理念にかけて…

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
織田浩一の近未来マーケティングガイド連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

織田 浩一(オリタ コウイチ)

デジタルメディアストラテジーズ社代表、アドイノベーター編集長。 広告・メディアビジネスコンサルタント。米シアトルを拠点とし、欧米の新広告手法・メディアテクノロジー・IT調査・コンサルティングサービス、記事執筆、講演を行っている。最近では有力ブログをネットワークするAgile Media Networkの立ち上げに関与した。監修書に「テレビCM崩壊~マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0(Joseph...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2007/03/29 15:49 https://markezine.jp/article/detail/691

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング