Googleは「PC Magazine」や「Maximum PC」などの雑誌で、1ページ広告を自ら購入し、それを既存のAdSenseの広告主に分割する形でオークション販売を行ったのだ。そして2006年2月にも「Martha Stewart Living」「Ellegirl」「Motor Trend」や「Road&Track」などのライフスタイルマガジン20誌余りに対して、同様のオークション形式での広告販売を行った。
実はこの結果はあまり芳しくなかったと報告されているが、Googleは紙媒体への進出を躊躇せず、その後、すでにYahoo!が力を入れていた新聞広告へ打って出て行く。 2006年11月にGoogleは「Gannett」、「Tribune Company」、「The New York Times Company」、「Washington Post Company」など主な新聞社が所有する新聞66紙、約100の広告主とともに、広告テストを開始している。
また新聞だけでなく、ラジオでもアクションを起こしている。2006年1月にGoogleがdMarc Broadcastingを1億ドル以上をかけて買収したことは、かなりの話題となったので覚えている人も多いだろう。 dMarcは全米のラジオ局の40%程度が利用しているといわれる自動広告挿入システムを扱っており、このシステムを利用することで、ラジオ局はDJだけで放送が可能になるのだ。
7月に発表された、Google Audio広告は、このdMarcとAdSenseを組み合わせたようなサービスで、デトロイトや衛星ラジオ放送XMでテストが行われている。
この動きをさらに推し進めているのが、GoogleとCBSの提携だろう。
CBSはNBC・ABCとともに知られる米国の三大テレビネット-ワークのひとつとして知られており、世間ではGoogleとの提携によって、「CBSの番組がYouTubeで番組が流される」と話題になっているようだ。しかしさらに注目すべきことは、CBS傘下の「CBS Radio」は150のラジオ局を持っており、これらの広告在庫の10%がGoogleを介して販売される可能性が高いと伝えられていることではないだろうか。
今回の提携には、CBS系列テレビ局の広告在庫についても含まれている」といわれており、Google幹部は以前から、テレビCMに関しても参入したい意向を示している。
そして、現在、話題として上がっているのが、Googleによるゲーム内広告ネットワークAdScape Mediaの買収と、屋外電子広告での特許申請に関するものだ。後者は、近くで販売されている商品について、商店などで商品在庫情報を入力することができ、広告商品の在庫がなくなると広告表示が終わるというものだ。