作業効率が上がるパターンと下がるパターン
その後、研究が進むにつれ観衆効果は作業効率の促進だけでなく、作業効率の低下を招くという実験結果もみられるようになった。効率が上がるパターンと抑制されるパターンは概ね次の2つに分類される。
作業効果の促進
- 良く訓練・学習された作業
- 単純な作業
作業効果の抑制
- 不慣れな作業
- 複雑な作業
また、P・J・ハントとJ・M・ヒラリーは、「単純な迷路」と「複雑な迷路」を一人で行わせるパターンと他者と一緒に行わせるパターンの実験を行っている。実験結果は以下の通りだ。
- 単純な迷路は一人で行うよりも、他者の傍らで行った方が誤答率は少なくなる
- 複雑な迷路は一人で行った方が、他者の傍らで行うよりも誤答率が少なくなる。

仕事の中でも、単純な作業と複雑な作業がある。部下や後輩がいる読者の方々は、これらの実験を参考にマネジメントを考えてみるのも、よいのではないだろうか。次回は、Webにおける集団の影響や「他者からの影響」という視点で、今回お話しできなかったことに関して考察していきたい。
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