自動入札管理ツール利用の目的とメリット
このように、リスティング広告運用の手間が大幅に削減できる、自動入札管理ツールだがその具体的なメリットはなんだろうか。利用することのメリットは、大きく次の2点が挙げられる。
- リスティング広告の運用業務の一部自動化による効率化
- リスティング広告の投資効率の改善
運用業務の自動化による効率化
自動入札管理ツールを利用することによる1つ目のメリットは、膨大な数のキーワードを運用する際の、一部の作業負担から開放されることになるという点である。
そして更に忘れるべきでない重要な点は、自動入札管理ツールが持つレポーティング機能である。通常リスティング広告の運用者は、広告主の立場にいれば上司に対して、そして広告代理店の立場にいればクライアントとなる広告主に対して、報告業務が発生する。
グーグルやオーバーチュアの管理画面をそれぞれ個別に立ち上げて、エクセルにダウンロードし、それを更に統一して報告書の体裁にまとめるためには、手間と時間がかかるものであるが、自動入札管理ツールでは、グーグルやオーバーチュアの運用結果を一括してアウトプット化でき、報告書の体裁にまとめやすい機能を有している。
広告代理店やツールベンダーの話を聞くと、このレポーティング機能はリスティング広告運用業務において、効率化を要する重要なポイントであることが分かる。また各社製品についての説明を聞くと、必ずと言っても良いほどこのレポーティング機能を訴求しており、各社ともこの機能性の向上に工夫を凝らしていることが分かる。
投資効率の改善
自動入札管理ツールの2つ目のメリットは、自動入札管理ツールを導入し、運用者が運用ロジックを設定すれば、それに基づいてツールが自動的に入札価格を最適化させるという点である。これにより、運用にブレが生じることがなくなり、入札行為における予算投下の無駄を排除することができるという点である。
以下の図は、自動入札管理ツールを利用することによる投資効率改善効果のイメージだ。
(三井物産ヴィクシアHPを参考にシード・プランニングが作成)

広告出稿者が自動入札管理ツール利用により得られるとされているリスティング広告の投資効率改善の成果は、リスティング広告運用におけるCPAの最適化、ROIの最大化に向けた改善として体現化される。
具体的には上図にあるように、
- CPAを保ったまま顧客獲得件数を最大化
- 顧客獲得件数を保ったまま広告消化額を最小化
- 広告消化額を保ったまま顧客獲得件数を最大化、
のうちのいずれかの方向に向けた改善効果が期待されるのである。