第2の奇跡―『自分屋24』が大反響
――2度目のミラクルはいつ起きたんですか?
それまでの会社を辞めて、個人で『自分屋24』というサイトを始めた時です。
――どんなサイトですか?
私のスケジュールをウェブに公開して、空いている時間をお客さんに売る、人間レンタルサービスです。メールで仕事内容やギャラなどを相談頂いて、成立すればお仕事をしに行って、その様子をレポートします。
――これまた斬新なサイトですね! 始めようと思ったきっかけは何ですか?
会社を辞めて自分が何をしたいのか、いろいろな仕事をして答えを探そうと思ったんです。あと私が普通の企業に就職しても面白くないから、「またトミモトが変なことを始めたぞ! 」とネタを提供してみんなを笑わせたくて。
――人生までネタにしますか(笑)。スケジュールの公開には驚かされました。
サイトを立ち上げるときには、必ず何か新しいことをするようにしています。個人でスケジュールの公開をしている人はいないので、これは新しいかなと。
公開したことでヒマな時間をうまく使えるようになりました。友達からは私の予定を見て「何日に飲み会やるけどどうせ空いてるでしょ?」と言わることもありますけど(笑)。

――ははは。『自分屋24』が人気になったきっかけは何でしたか?
はじめは、ほとんど知り合いからの仕事依頼でしたが、mixiのニュースコーナーで紹介されて、問い合わせや応募が殺到しました。今では月に10件~20件くらいの依頼があります。
――仕事の依頼もユニークなものが多いですね。焼き鳥屋のおじさんからの依頼とか。
そうなんですよ、焼き鳥屋のバイトさんが休みなので手伝って欲しいという依頼で。驚いたのは、まったく知らないおじさんがmixiニュースで私を知って、応募してくださったという(笑)。
屋台の仕事はやってみたかったので、すごく楽しかったですね。普通ならありえない所に立っていること自体が面白いですし、色んなお客さんと触れ合えていい体験ができました。


――個人的な依頼は面白いですね。加藤さん家のノブオさんからの依頼も微笑ましかったです。
あはは。あの依頼はみんな気になっているみたいですね。正月元旦に帰ってこない加藤さん家のお姉さんの代わりに、私がお邪魔してカニ鍋をいただくという仕事で。
依頼者のノブオさんはネットゲームで知り合った友達ですが、家に行くのは初めてでした。お母さんは「ノブオが女の子を初めて連れてきた!」と舞い上がっていたようです、彼女じゃなくて申し訳ないですが(笑)。この日のギャラは、もちろんカニでした。



――カニがギャラ! ギャラはどれくらいもらえるのですか?
依頼によってまちまちですが、大体時給1000円くらいですね。1日2万円頂いたこともあります。
――『自分屋24』でこだわっているところは何ですか?
人肌を感じられることです。ただ仕事をしました、というレポートではなく、人と人が触れ合って心が動く、そのドキドキを伝えたいと思っています。
――サイトを公開して良かったことは何ですか?
いろいろな仕事が体験できて、人との出会いが広がったことです。そして、今の会社の社長に「このサイトをウチでやってみないか」と誘ってもらい、やりたいことのできる会社が見つかったことですね。これが2つ目のミラクルです。
――出会いが入社につながったと。ちなみに3度目のミラクルは何ですか?