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MarkeZineメールマーケティング特集(AD)

普通に送っていても気が付けば迷惑メールに・・・。
侮ると怖い迷惑メール誤判定の実態

対応が遅れている日本のメールマーケティング

 こういった状況は日本のみならず、海外でも指摘されている。誤判定の問題は、どの国でもついて回る話だそうだ。ただし日本と異なり、対策については一歩抜きん出ているケースが多いとのこと。アメリカの場合、特定の送信者からのメールを誤判定から外す、「ホワイトリスト」なるものがあるという。

 「第三社機関が企業とISPの間に入る形で評価を行い、『この送信者からのメールは問題ない』というお墨付きを与えるわけです。特に配信数・送信先の多い広告メールを配信するような企業はきちんと準備をしていて、ホワイトリスト登録を実施する傾向が高く、そうすると当然ながら、誤判定の対象外になります」

 言うなれば、ホワイトリストとは企業のメールマーケティングの健全性を示す証明書のようなもの。それならば、日本も同様の施策を取ればいいと思うが、どうも一筋縄でいかない日本特有の事情もあるのだとか。

 「欧米はそういった点をビジネスライクに処理することに長けていますが、なかなか日本はそういった流れになりませんね。企業間でもお互いに利害関係がありますから、うまくまとまらないといった状況です。日本ではメールの送り手と受け手が、うまく議論できないというか。特にISPや携帯キャリアは迷惑メールが毎日大量に来るため、対策に追われます。そのため、なかなか同じ土俵で話し合いができないようです。現状では、送り手が迷惑メールフォルダに振り分けられないよう工夫をしていかざるを得ない状況です」

フィルタリング判定の基準

 ところで気になるのは、メールの受け手であるISPは、どういった基準でメールをフィルタリングしているかということ。大別すると、システム面とコンテンツ面の2つの側面での判断基準があるという。

システム面でのフィルタリング基準

 「最も技術的に分かりやすいのは、『送信者ドメイン認証』があるかないか。送信者の身元をハッキリ明示する必要があります」

 まずは、『送信者ドメイン認証』の設定は必須のようだ。

 さらに、発信元が1カ所のIPアドレスに集中している場合も、ブロックの対象になりやすいという。というのも、スパム送信者の多くは大規模な送信システムを持っていない。このため、少ないIPアドレスから1度に大量のスパムメールを送信する傾向にある。短期集中で、一気に送って、後は逃げるだけだ。送り手からすれば同時に大量の送信処理ができると効率的だが、受け手であるISPとしては、時間・ドメインともに分散して送られてくるほうが、システムへの負荷は小さくて済む。この結果、ISPの回線や設備を占有するようなメール送信者は、スパム送信者と捉えられてしまうのだ。

 メール専門のベンダーが提供する配信システムを採用せず、自社でメール運用を行っている会社で、こういった事態は起きやすいという。自社で運用している場合は、メール配信を専門的に担当するエンジニアが不在のことがほとんどで、その他の業務と兼任しているため検討が甘くなり、単に効率化だけを追求して大量送信を行ってしまうケースが多いようだ。

コンテンツ面でのフィルタリング基準

 コンテンツについても、よく注意をしなくてはならない。冒頭で紹介したフィッシングメールと判断される事例で言えば、メール内に送信者のドメインに関連性がないURLを記載している場合にURL先が怪しいと判断され、フィッシングメールとされることが多いという。

 また、本文にISPがNGワードと判断する単語が挿入されていると、迷惑メールとして判断される可能性が高い。NGワードは、細かい基準まで掘り下げると各社で違いがあるが、大まかな傾向は似ている。ただし、ISPとしてもNGワードをオープンにしすぎると、送信者とのイタチごっこになる可能性があるため、なかなか全てをオープンにはできない傾向にある。

 「本文も無く、画像だけのメールも引っかかる傾向が高いですね。悪質な送信者の場合、コンテンツフィルターをかいくぐるために、本文もひとまとめに画像にするわけです。そうすると、本文は解析の対象外になりますから。海外からのPC向けスパムメールによく見られる手法です。よって、画像の割合が異常に高いメールというのも、迷惑メール判定の対象になるようです」

迷惑メール判定基準の一例
迷惑メール判定基準の一例

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怪しいと思ったら専門業者へのコンサルティング依頼も必要

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この記事の著者

大正谷 成晴(オショウダニ シゲハル)

1973年生まれ。フリーランスライター・エディター。2001年よりビジネス誌を中心に活動を開始。現在に至る。趣味はサイクリング、料理、投資。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2010/11/29 12:58 https://markezine.jp/article/detail/7848

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