ARの可能性を広げるのもネットユーザー
ひとつ思い至ったのは、ARとハイパーローカルジャーナリズムとの融合はどうだろうか、ということ。このところ衰退の一途を辿る新聞だけど、全国区のニュースを扱うことをやめ、特定の地域に特化したニュースメディアに姿を変えることで見事再生したという話が高収益を上げる新しい波のハイパーローカルジャーナリズムに詳しく紹介されていて、そうした地方新聞社がARをうまく活用すれば、まさにメディアとしての面目躍如といったことにならないかしらね。
蛇足ながら、ネット上のあちこちに存在するローカル情報をこうして視覚化する技術が進み、Layarのようにグローバル化されてユーザーが増えるに従い、広告出稿のステージとして大いに価値が高まるのは目に見えている。
言うまでもなく、検索連動広告でエリア指定しているのと同じだから、いやそれ以上にインパクトは大きいだろうから、その業界が張り切るのは当然だけれども、さあ、果たしてソーシャル化に馴染んできたユーザーの目をどこまで引きつけられるのか、そのあたりはちょっと見モノかな。
ところで、こうして各社がそれぞれに工夫を凝らして使い勝手を追求し、またしのぎを削ってサードパーティが新しいサービスを生み出そうとしているわけだけど、もしARがプラットフォームとして成り立つならば(成り立つと思うけれど)、今後はどの情報をAR経由で見せてイイか否か、情報発信者側のオプションも提供されるべきかもしれない。
それと、検索機能と連動してキーワードにマッチした情報だけを表示してくれる機能もあれば尚のことよろしいかと。ま、それも時間の問題なのでしょうが、でないと、今に画面上が広告だらけになってユーザーにとっての利用価値がなくなるのは必至だろうから。あ、というより、広告に頼らずに自分からどんどん発信する方が手っ取り早くて安くつくということになりますわな、この調子でいくと、多分。
いずれにしろ、地域情報をより簡単によりリアルに共有したいネットユーザーを、ARが強力に支援するのは確か。そして、もっとスゴイ利用方法を考案するのも、あるいは情報発信者受信双方にとって意義のあるガイドラインを整備するのも、きっとまたネットユーザーなんじゃないでしょうかね。これからが楽しみですね、まったく。
・・・とこれで終わろうと思ったんですが
恒例、記事公開前のアップデート。今日、8月27日時点で、最初のiPhoneARがiTunes App Storeにお目見えしたらしい。最初のというのは「公式」アプリとしてという意味でしょうね。アップルは、iPhone 3.1 がリリースされるまで正式にARへの門戸を開くつもりがないようだけれども、とりあえず地下鉄マップのアプリに付加サービスとして載せられたみたい。ただし、パリだけで。
と思ってたら、同じ開発業者がロンドンのバス用アプリにも同様のAR機能をつけたとか。
そして、冒頭であげたYelpでもいよいよ始まったとRobert Scobleがリポートしてる。iPhoneを3回振ると起動するというのがオモシロイ。
で、地下鉄やバスと来ればそうでしょうね、前述Mobilizyが、今度はカーナビをリリースですって。
ま、音声ガイダンスもあるようだけど、しかし、運転しながらはやっぱり危ないなぁ。
そして30日になって入ってきた情報で、こっちはBingのローカルサーチをベースにしたAR、RobotVision。ついでに、Flickrから画像を、TwitterからTweetを引っ張ってくる。これもアメリカ製で9月にリリースの予定。
う~む、当分ARはTwitterと並んで話題に事欠かないな、こりゃ。もうきりがないので、今回はここまで。
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