ad:techは、マーケティングとITに特化したカンファレンス。これまでシンガポール、北京、上海、シドニー、ロンドン、パリ、ニューヨーク、サンフランシスコ、シカゴで開催されており、日本での開催は今回が初となる。
各セッションのテーマは、サーチマーケティング、ソーシャルメディアマーケティング、行動ターゲティングなどの旬なキーワードが並ぶ。それぞれの分野のキーマンが集まり2日間にわたって議論を交わす。
初日の基調講演には米国のベストセラーである『グランズウェル』の著者であり、米フォレスター・リサーチのシニア・バイスプレジデント ジョシュ バーノフ氏が登壇。「マーケティングの未来像 デジタルによる広告の転換期」と題した講演を行った。
ジョシュ氏はまず、フォレスター・リサーチが消費者やマーケティング担当者に行った調査結果から、「従来のマーケティングはパワーを失っている傾向が顕著にでています」と指摘。「ネット、モバイルといったデジタルメディアを活用したマーケティングはよりパワフルになっています。こういった傾向はまさに“広告の転換期”を指すと言えます」と強調した。
また、デジタルメディアに多くの人が集まる中で、マーケティング担当者が注目すべきはテクノロジーではなく、そこに集まる人への理解であると説く。
「なぜ、SNS、ブログ、動画サイトなどのメディアにユーザーは集まるのか、どう活用し、どう行動しているのか。デジタルメディアをマーケティングに活用したいのであれば、テクノロジーではなく、その背後にあるユーザーの心理に注目することが大切です」。
講演の後半では、ソーシャルメディアの中でも特に注目されているTwitterのマーケティングへの活用について触れた。事例として先日Amazonが買収したアパレルと靴のオンライン販売を手がけるZappos.comを挙げ、Twitterマーケティングの成功事例について言及した。
「Zappos.comはソーシャルメディアを積極的に活用することで、顧客とすばらしい関係性を築くことに成功しました。Twitter上に公式アカウントを取得しただけでなく、社員全員にTwitterを使うことを奨励し、顧客とのコミュニケーションを促しました」。
講演終了後には、受講者から質問も受け付けた。「ソーシャルメディアをマーケティングに活用した場合、効果測定はどのようにすればよいのか?」「新しいマーケティングに挑戦したいのだけど、どのように上層部を説得すればよいのか?」などの質問が飛び、デジタルメディアを活用したマーケティングへの注目度の高さが伺えた。
なお、ad:tech tokyo 2009は本日まで開催している。
ネットワーキングパーティーも開催
午前9時から午後6時までのプログラムが終了後にはネットワーキングパーティーも行われた。講演者、受講者の多くが最後まで残り、意見を交わしていた。