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ネットを飛び越え現実世界へ
電子マネー「Edy」が実現する行動ターゲティングの未来

電子マネーを軸にした「実行動ターゲティング」へ

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行動ターゲティングに関しては、どういった取り組みを行っているのでしょうか?
敷田
以前、Edyユーザーの行動履歴を基に、メルマガ配信の小規模な実証実験を行いました。その際、CTR が高くなるなど効果が確認できました。しかし、現在はメルマガ登録者の絶対数がまだまだ少なく、セグメントを細かく区切ってしまうと配信対象数が少なくなり、反対に広告が十分な数のユーザーに届かないということになることが考えられます。今後ユーザー数が増加していけば、事業上の観点からも検討してみたいと考えています。
また、電子マネーは、ユーザーのリアルでの購買履歴を取得できるのが特徴です。「いつ・どこで・いくら使ったか」という情報を取得できるのです。弊社の持つこうした情報だけでは、十分なターゲティングはできませんが、コンビニエンスストアやドラッグストア、飲食店などと提携し、この情報に商品情報などのデータが加われば、かなり的確な、リアルでの行動履歴を基にしたターゲティングが可能になります。
これは、非常に付加価値の大きな広告配信のしくみです。例えば、コンビニエンスストア大手「am/pm」では、Edyと連携した「クラブam/pm」というウェブサイトを展開しているのですが、このサイトでは、どの店舗で何を買ったのかをウェブ上で閲覧でき、家計簿代わりに使えるサービスを提供しています。こうした情報を活用することで、1週間前にEdyを使ってコカ・コーラを買ったユーザーに炭酸飲料の広告を配信するといった、リアルでの行動と結びついたターゲティングを実現できるようになります。
Edyパラダイスは、ポイント付与などのためにユーザーが固定のアカウントを持つので、こうした問題を解決し、私たちと個人を結びつける役割も担っています。確度の高い行動ターゲティングを実施するには、ユーザーベースの情報管理を徹底することが必要になると考えています。
リアルの行動履歴取得で実現する広告配信の例
リアルの行動履歴取得で実現する広告配信の例
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行動ターゲティングを応用した広告ビジネスは、よりマッチした情報を送受信できるという意味で、広告主とユーザーの両者に利益をもたらす、とても大きな広がりのあるお話ですね。
敷田
リアルとインターネットを連動するハブのような存在になれるのが電子マネーの強みです。現在、ソニーの液晶テレビ「BRAVIA」のリモコンにもFeliCa ポートが搭載され、「アクトビラ」などでもEdyが利用できるようになっています。遠くない将来、現在われわれが思い描いていることが現実になると思います。
流通形態や老若男女を問わずに対応できる特徴もありますから、Edyは行動ターゲティングに大変適していると感じています。現在はまだ、準備の段階ですが、実現に向け積極的に活動しているので、楽しみにしていただきたいと思います。当社内での広告事業の規模はまだまだ小さいものの、収益効率が高いためさらに注力していきたい部分。今後もチャレンジを続けたいですね。

 

生き残るための広告技術 進化したインターネット広告「行動ターゲティング」のすべて

広告業界で生き残るための知識が詰まった、マーケター必携の1冊!

行動ターゲティングの第一人者Rob Grahamによる『Fishing From A Barrel』を、国内の行動ターゲティング普及を牽引するデジタル・アドバタイジング・コンソーシアムの広告技術研究室が翻訳。さらに、DAC取締役 CTO 徳久昭彦氏を監修に迎え、国内事例の取材やITジャーナリスト佐々木俊尚氏による書き下ろしも加えた、充実の一冊!

  • 国内マーケティングの最新動向を分析

    インターネット広告の歴史/表現手法の高度化/メディア・デバイスの多様化/ターゲティング手法の発展

  • 技術概要から応用のヒントまで解説

    マスマーケティングの限界/広告主・媒体社・消費者にとってのメリット/ターゲティングの分類/実施フロー/マーケティング手法への応用/行動ターゲティングの将来像/データ取得方法と取得すべきデータ/データ解析の考え方/プライバシーの重要性/人間の行動原理/広告コミュニケ―ションの本質

 

 

1,900円(+税)/ISBN978-4-7981-2012-6/発行所 株式会社翔泳社

各書店のほか、AmazonSEshopなどでも購入可能です。

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この記事の著者

大正谷 成晴(オショウダニ シゲハル)

1973年生まれ。フリーランスライター・エディター。2001年よりビジネス誌を中心に活動を開始。現在に至る。趣味はサイクリング、料理、投資。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/10/08 11:00 https://markezine.jp/article/detail/8467

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