地域情報でのセグメンテーション
続いて小川氏は、地域でセグメンテーションする例として住宅情報サイトの例を示した。
「秋葉原駅と東京的に勤務している人がどの沿線の住宅を検索しているかを分析してみました。その結果、秋葉原に勤務している人は総武線やつくばエクスプレス沿線の住宅を探している傾向が見られました。同様に東京駅に勤務している人はこちらは東京23区外、埼玉、千葉でも検索をしていることがわかりました」。

この結果を踏まえ、秋葉原駅と東京駅は、距離的に近いものの属性は大きく異なっていることがわかるとし「秋葉原駅と東京駅は非常に近いですが、それぞれ、レコメンドする物件やメルマガで紹介する物件を変えた方がよさそうだということがわかりました。また、特集などを組むときにもこれらの結果が参考になると思います」とデータ活用例を示した。
検索キーワードでのセグメンテーション
続いては大内氏から検索キーワードでのセグメンテーションの事例として、福島県にある旅館「きらくや」のサイトの紹介があった。ここでは、検索キーワード“磐梯熱海温泉紅葉館きらくや”と“きらくや”でセグメンテーションをした。
大内氏は、「ほんの少しの違いですが、これは重要な違いだったので別々にセグメンテーションしてみました。『磐梯熱海温泉紅葉館きらくや』で来た人はかなりサイトの中をじっくり見ています。温泉を見たり、部屋の状況を見たり、食事を見たりかなり分散しています。一方、『きらくや』で検索した人はPVも少なく、空き室状況、予約に行って終わりで、お得情報だけは確認するという感じで動きは狭いです。前者は、恐らく楽天トラベルなどの旅行サイトから旅館のフルネームをコピー&ペーストして検索してきた新規顧客ではないかという仮説を立てました。後者のほうは、明らかに泊まったことのあるリピーターと推測できます」と説明する。
これらの仮説から、2つの重要な訪問者をどのようにもてなすか、その対策を立てることができたという。「『磐梯熱海温泉紅葉館きらくや』を検索して来た人には直接予約した方への特典をつけるなどの対策ができます。一方、リピーターである『きらくや』を検索して来た人には宿泊予約までを迷わせないで行わせるという対策をとることができました」。このように仮設を検証し対策を行ったことで、顧客ごとに絞りこんだリニューアルが可能になったという。

コンバージョンでのセグメンテーション
コンバージョンでのセグメント分析の例として、小川氏が挙げたのが通販サイトの例。このサイトは、女性向けのベビー用品のサイトで、SiteCatalystによって解析をしている。濃く赤く表示されているところが良くクリックされるところで、面積も広く目立つ位置に配置された特集はクリック数が多く1位、ページ右上小さめに配置された商品番号を入力フォームはクリック数が低く33位。さらにこのフォームの下にある、まとめ買いを促すリンクのクリック数順位は74位だ。
この結果から、面積も広く写真で目立つほうがクリックされやすいことがわかるが、小川氏は、同じページでの売り上げの順位を示した。すると、特集は7位、右上の商品番号入力フォームは5位、まとめ買いへのリンクは2位と、実際に売り上げに貢献しているのは商品番号検索のエリアであることが示された。
