新規とリピーターでのセグメンテーション
新規の訪問者とリピーターでのセグメント分析例も紹介された。
小川氏は「リピーターといっても、1回以上来てしまうとすべてリピーターとなってしまいます。つまり、1年間ずっと来ている人も、1日に時間を空けて2回来ている人も、同じリピーターになってしまうのでここではもっと分割して分析するというのをやってみます」と、結婚の情報サイト『ゼクシィ』のケースを紹介した。ゼクシィでは、会員登録、メルマガ登録、さまざまな検索、結婚式場、ウェディングドレス、二次会のゴスペルなどのメニューがある。
小川氏は、訪問回数ごとに各メニューの利用登録をまとめた図を示した。図は各目的に対して、一番達成した訪問回数を「100%」として、それ以外の訪問回数では100%から比較してどれくらい達成されたかを表示している。


この図を見ると、ほとんどの人が初回訪問時に会員登録をしている。メルマガ登録は初回と2回目に多く、結婚式場は3回目が一番多い。次のウェディングドレスは5回目、結婚式の二次会は6回目、7回以上になるとエステの利用が多くみられる。
これらのユーザー行動から小川氏は「まずはサイトを使うために会員登録し、お得な情報をもらうためにメルマガ登録をします。次に自分の近くの地域とか人数とかを条件に結婚式場を検索します。そうすると1、2、3回目が訪問のピークとなります。次はウェディングドレスを探します。ドレスが見つかったら二次会の準備をします。最後に結婚するからきれいにならきゃということでエステを探す」という行動がわかります。
セグメンテーションを行うためのツールとしては『Google Analyticsアドバンスセグメント』を利用しているとし、分析結果から訪問回数や期間などに応じてメールを送ったり、サイト上で表示するバナーを変えたりといった施策につなげられるという。ちなみに小川氏は来年6月に結婚するそうで、ちょうど会員登録くらいとのこと。
アクセス解析の事例が参考になっても、はたして同じ手法を採用して成功するかどうかはサイトによって異なる。大内氏は「僕にはほぼ逆の事例があります。訪問する人が新規か同日のリピーターしかいないようなサイトです。ここで無理にリピータを増やそうと思っても仕方ないです。それよりも1回目でどれだけお客様にわかりやすく深く行ってもらえるかということにフォーカスしたことがありますね」とゼクシィとは異なるタイプの事例についてコメントした。
解析ツール選びの3原則
各事例の紹介のあとは、実際に解析の現場で利用するために必要なツールの3原則として
- サクサク動く
- 過去に戻れる
- いつでもやり直せる
が提示された。小川氏は、新規とリピーターを分けたい時には、過去に戻って反映できるツールは非常にやりやすいと話す。大内氏も同様に、測定のためある程度の期間が必要なので過去のデータを解析できるものがいいとし、試行錯誤しながら解析を行うため、動作が軽快なことも重要であると強調した。
大内氏が紹介したツールが「Google Analyticsアドバンスセグメント」で、あらゆるセグメントに対応し、過去のデータにさかのぼることもできる。大内氏は、ページ遷移の機能があるので、先に紹介した価格比較サイトからの訪問でのセグメンテーションも可能だとした。
一方小川氏は、「Comfy Analytics(コンフィ・アナリティクス)」を紹介。このツールは、たとえば「訪問回数が5回以上で、なおかつこの条件」といった自由なセグメントを設定でき、過去のデータを参照したり、2つの条件を比較することも可能だ。動作も軽快なので、非常によいツールであると紹介した。
