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MarkeZine Day 2009特集

国内外の最新事例で理解する
世界の動画マーケティング最前線【MarkeZine Day 2009】

「カスタマーライフサイクル」のすべての段階で動画は活用できる

 次に、須賀氏は「動画はカスタマーライフサイクルのすべてのステージで、活用することができる」として『AWARENESS』『INTEREST』『TRIAL』『PERCHASE』『LOYALTY』の5つ段階に分けて、動画のマーケティング活用における利点を事例を挙げながら解説した。

カスタマーライフサイクル
カスタマーライフサイクル

AWARENESS

 まず、認知してもらう『AWARENESS』の段階では、動画は視覚と聴覚が同時に刺激され印象に残りやすいため、口コミで広がりやすいという効果があるという。また、最近のフォレスター社の調査によると、ページに動画コンテンツがある場合、検索結果の最初のページに登場する確率が53%上昇するというSEOにおける効果も発表されている。これは、まだWeb上のコンテンツがほとんどテキストであり、動画コンテンツが約1%程度と少ないため、キーワードにマッチした動画が表示されやすいためだという。

INTEREST

 そして次に、関心を持ってもらう『INTEREST』の段階における効果を、都内の中高一貫教育校である「広尾学園」などの例を挙げながら紹介。広尾学園では、授業の様子を撮影した動画を数多く公開している。動画をサイト内に公開するようになってから、1年間でトラフィックが約3倍に、2年間で入試応募数が約8倍になり、偏差値も47から65へと向上したという。動画によってユーザーの関心が高まり、その後の行動に繋がっていった結果だと分析されている。

広尾学園
広尾学園

TRIAL

 ニーズの喚起を促す『TRIAL』の段階では、ソフトウェア開発企業「Serena Software」の事例が紹介された。Serena Softwareでは、コメディタッチの動画を作成して自社サイト内で公開。閲覧した人からの口コミによる伝播を狙った施策だ。その結果、トラフィックが3倍に増加し、そのうちの2/3が口コミによるものという成果を挙げた。また、このキャンペーンのコンバージョンとして設定されていたソフトウェアのトライアル版ダウンロード数も2倍に増加したという。この事例の他にも、通常1.5%のコンバージョン率のサイトが15%に上昇したり、Eメールキャンペーンにおいてランディング先に動画コンテンツがあることで、滞在時間が約3倍にまで増加したといった報告もあるという。

Serena Software
Serena Software

PERCHASE

 購買の後押しをする段階である『PERCHASE』における動画の活用に関しては、「ソニーミュージック オフィシャルサイト」の事例が取り上げられた。ソニーミュージックでは、多くのアーティストを擁するため、ユーザーは自分の好きなアーティストの公式サイトを訪れ、オフィシャルサイト自体には訪れることが少ないという課題を抱えていた。そこで、スタッフによる動画のレコメンデ―ションコンテンツを用意したところ、サイト滞在時間が増加、クロスセルやクロスプロモーションを誘発するといった成果がでるようになったという。

ソニーミュージック オフィシャルサイト
ソニーミュージック オフィシャルサイト

LOYALTY

 カスタマーケアやポストセールスの段階『LOYALTY』における動画活用の成功事例として、須賀氏は米Sun Microsystems社が運営する「Channel Sun」を紹介。Channel Sunは、Sunの従業員が自分の担当する製品の動画を自ら撮影して投稿するというEGC(Employee Generated Content)形式の動画サービス。既に400本以上の動画が投稿されており、ただ単に動画を流すだけでなく、コメントをつけられたり、ソーシャルメディアへの書き込みが容易にできるようになっていたりと、ユーザーにアクションを起こさせるさまざまな仕掛けが用意されているのが特長だ。サイト公開後、トラフィックは53%向上、従来1.4%だったコンバージョン率(リード獲得)は、10%近くにまで上昇したという。

Channel Sun
Channel Sun

 こうした先進的な事例を紹介しながら、須賀氏は「短いコンテンツでユーザーの注意を引き、ユーザーの聴覚と視覚がアクティブになっている状態のときに、何かしらのアクションを起こさせる仕組みが、成功する動画のマーケティングキャンペーンでは必須になっている」と動画活用におけるポイントを指摘。最後に「インターネットにおいて動画コンテンツを活用することで、既に多くの企業で実際に効果が出ていることを、ぜひ知って欲しい」と語り、近い将来には動画コンテンツがもっと当たり前の状態になっているだろうと予測して、プログラムを締めくくった。

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この記事の著者

伊藤 真美(イトウマミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/10/16 20:30 https://markezine.jp/article/detail/8611

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