経営目標から逆算して、プロセスごとの目標値を数値化

Webサイトを営業プロセスに組み込んで成果を挙げた例として、工藤氏は昌栄印刷のカード印刷受注サイト「カード作成ドットコム」を紹介した。
昌栄印刷では、以前からコーポレートサイトはあったものの、サイト閲覧からの成約数はわずか4件程度に留まっていた。しかし前述の受注サイトオープン後、わずか1カ月でコーポレートサイト数年分のアクセスを獲得。コンバージョン数も大幅な増加傾向にあるという。
その成功の理由について、工藤氏は「もちろんSEO対策や見た目のよさ、ネーミングの分かりやすさも、成果に結びついていることには間違いないが、1番の成功ポイントは、営業プロセスの中でこのWebサイトをどこに位置づけるかを明確化したことだ」と語る。つまり、リアルでのカード受注営業のステップである、『受注』→『見積もり』→『営業成約』というプロセスの“『見積もりの受付』までをWebサイトに担当させる”“その後の成約までのプロセスは人が行う”と、目的を明確化させたことが重要だというわけだ。
最終的な成約をリアルで営業マンが行うための前段階として、Webサイトで集客するための検索連動型広告やSEO対策といった施策は必須。その上で、来訪したユーザーに関心をもってもらい、最終的に問い合わせなどの行動を起こしてもらうためには、「見積もり依頼ボタン」を目立つところに配置するなど目的に沿ってWebサイト自体を改善する必要がある。これらはごく当たり前の施策であるが、Webサイトの役割を明確化することで、効率的に行うことができるというわけだ。
また、月あたりのサイト上での営業成約目標をあらかじめ設定し、それから逆算して導き出される「各プロセスの目標数値」を把握することも必要だ。これは、会社に対してサイトの貢献度を数値でPRするのではなく、月どれくらい売上をあげるのかという経営目標から逆算して、各集客プロセスの目標数値を設定することが重要になる。
「まずやって欲しいのは、数値化して営業目標を立てること。そして、Webサイトを活用することで、いくらの売上を上げることができるのかというリサーチと、シュミレーションをしっかりしてほしい。営業プロセスに当てはめてシュミレーションを行えば8割がた当たります」(工藤氏)

