営業プロセスを分解し、その中の一工程としてWebサイトを認識
ビジネスにおいて有用な営業ツールとして認識されつつあるWebサイトだが、まだまだ十分な効果が得られていない企業も少なくない。こうした状況を受けて、工藤氏は「運営・制作サイドの視点だけでは気付くことができない“営業サイドの視点”が重要」とし、営業現場の実感からWebサイトを位置づけて“売上直結”サイトとするための考え方を紹介した。
Webサイトを売上に繋げる改善の大前提は、営業の『プロセスマネジメント』にある。通常マネジメントというと、人や結果を管理することのように考えてしまいがちだが、工藤氏は製造メーカーの例を挙げ「どのような工程を経ているのか、そこで何が行われているのかプロセスを分解して把握し、管理することが改善につながる」と説明する。この製造メーカーの例は営業についても同様であり、営業プロセスを分解して科学的に数値化していくことが重要になる。
例えば、社員ごとに営業プロセスでの成功率を比較してみると、トータルでの成果は同じでも、各プロセスにおける成功率は各々異なっていることが分かる。具体的にプロセスの中でどこを改善すれば良いのか把握できれば、あるプロセスにおいて成功率の高い人材の方法を取り出し、他の人材にシェアして全体化することが可能となる。Webサイトにおいても、その担うプロセスは営業の一部分であり、どこを担わせればいいのか、その際にはどのような内容がふさわしいのか、検証していくことが可能だ。
ネットレイティングスの調査では、「商品購入の際にホームページを参考にする」と答えた人は85%もいるにもかかわらず、実際に購入するという「意思決定時には、ホームページ以外の情報も参考にする」と答えた人が91%にも及ぶと報告されている。つまり、多くの人は「ホームページをチェックするにも関わらず意思決定はホームページだけでは行わない」ということになる。Webサイトは強力な営業プロセスの一部となり得るが、同時に、他のプロセスと連携してこそ「成約」に結びつくということが明らかになっているのである。すなわち、営業のプロセス内でWebサイトにどんな役割を担わせ、プロセスのどこに組み込むかを考えることが重要となる。