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一歩先行くSEO/SEM、サーチマーケティング・イノベーション

既存サイトへのSEO/SEMは無駄が多い
キーワード基点型の戦略的サイト構築術


STEP.2 キーワードを基にサイト/コンテンツ作成

 次に、キーワードのラベル情報を参考にして、サイトを作成していきます。重要度Aのキーワードは、SEOで検索結果の上位にランキングさせたいキーワードです。

 サイト内のカテゴリー構成やリンクの流れは、検索者の意図や購入サイクルに合わせて設定し、ページのコンテンツを作成します。この方法の良い点は、サイトを訪れた人の離脱率が下がり、訪れたページの利用率が上がるだけでなく、そこから他ページへ移動し、サイトに滞在する時間が伸びるということです。さらに、「興味/参考」の段階でサイトを訪れた人が、「情報収集」や「比較」段階でサイトを再度訪れる可能性が高まります。

 例えば、「比較」段階で検索している人が求めていそうな、場所、料金、ホテルの設備、部屋の備品、利用客のコメントなどの情報をページに載せ、後日サイト内で「購入/発注」する可能性を高めます。

 ただし、注意が必要なのは、あくまでも意図とサイクルに合ったコンテンツをページに載せることです。「情報収集」が目的で訪れた人に「購入/発注」を促すコンテンツやメッセージを見せても発注に繋がらないどころか、逆効果になります。

『比較』段階のキーワード「ホテル名 場所」をテーマにしたページの場合
図5:『比較』段階のキーワード「ホテル名 場所」をテーマにしたページの場合

 このように、各対象キーワードを念頭にサイトやページのコンテンツを作成することで、コンテンツ面でのSEO対策が取りやすくなります。実際のプロジェクトでも、ほとんどの重要度Aキーワードが検索結果の上位にランキングするようになりました。

STEP.3 検索連動型広告の作成

 検索連動型広告に関しては、ラベル情報を基にキーワードを複数のキャンペーンや広告グループに細かく分け、それぞれのタイトルと広告文を作成し、ランディングページを選びます。ポイントはキーワードを単なる言葉として捉えず、各言葉に伴う検索者の意図や購入サイクルにマッチさせ、広告文を作成することです。

単にキーワードが入った広告文を作成するのではなく、
検索者の意図や購入サイクルといったラベル情報を重視
図6:キーワードのラベル情報を基に広告を作成

 かなりの作業量になりますが、サイトを作成した時点でキーワードに合ったページが既に存在するので、ランディングページを別途作成する必要がなくなり、予算的にも作業時間的にも節約になります。

 実際のプロジェクトでも、クリック率が上がったほか、ランディングページには検索者が求めている情報が載っているので、それまで6割以上あったランディングページでの離脱率が2割以下に下がり、ページの利用時間が伸び、サイト内の他ページへの移行率が上がりました。

 また、実際の運用時では、検索連動型広告の効果がよく、クオリティスコアが上がり入札額が低下するというメリットも生まれました。その際、SEOで上位にランキングするようになったキーワードは検索連動型広告で必ずしも上位にランキングする必要がなくなるので、入札額を下げ、広告用の予算を見直して競合の激しいキーワードへの投資を増やしたり、新たにキーワードをキャンペーンに加えたりといったことを実施しました。

キーワードを基点にすればボトルネックも見えてくる

 プロジェクト後、サイトにページを追加する際は、ページの存在目的を基にキーワードを選択し、ユーザーがそのキーワードを検索する意図にマッチし たコンテンツを作成するように運用しています。また、年に数回キーワード調査を行い、使用するキーワードのリストを更新しています。

 この様に、ユーザーを獲得したいキーワードをあらかじめ設定し、それを基にサイトを構築し、ページのコンテンツや広告文を作成していくという工程を踏むことで、SEOキャンペーンと検索連動型広告キャンペーン両方のパフォーマンスの向上を見込めます。また、問題がキーワードにあるのか、ページのコンテンツにあるのか、サイト内での購入サイクルの流れに途切れがないかなど、キャンペーン内で改善が必要なボトルネックが分かりやすくなるという利点があります。

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この記事の著者

ハント肇子(ハントモトコ)

 1998年にAJPRを設立以来、世界各地の企業に対してインターネットをベースとした日本市場向けマーケティングを指導。日本及びアジア各地の知識を活かしたサーチマーケティング・コンサルティングサービスは、世界的に有名な企業のサーチマーケティング・キャンペーンを成功へと導いている。また、世界各地のカンファレンスで講演し...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/10/31 00:11 https://markezine.jp/article/detail/8670

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