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MarkeZine Day 2009特集

ぐるなびウエディングが実践するコンバージョン向上術
【MarkeZine Day 2009】


一件のコンバージョン価値が高いマーケット

 ジョイジョイ株式会社の事業統括マネージャーであり、ぐるなびウエディング事業の責任者を務める舘田氏(写真左)は「ぐるなびは飲食店検索として非常に多くの皆さんに利用してもらってると思いますが、ぐるなびウエディングは、結婚式場、例えばホテルなど結婚式を行う会場を紹介したり、そういった会場の情報を提供するサイトで、2006年の3月から提供しています。元々、百貨店などでの式場紹介サービスを提供していて、今はぐるなびの子会社ということでウエディング事業を展開しています。結婚式場探しは、皆さん普段やることではないので、何すればいいのか全く分かりません。ですからそういった準備の手伝いや二次会の手配も含めてさまざまなコンテンツを提供しています。今は関東と関西と東海の3エリアでやってます」と事業概要を説明した。

 舘田氏によると、1年間に日本で入籍する数は大体70万組前後とし、「日本の人口のわずか1.2%しかないというスキマ産業です。当然入籍だけで終わる方もいて、結婚式を挙げる方は6割前後と言われているマーケットです。通常のプロモーションであれば、色んなCMや広告を通して商品を買ってくれる人、使ってくれる人をどんどん増やすことがメインとなりますが、私たちの市場というのは一生懸命プロモーションしても、「じゃあ結婚式やろうか」という需要の発生がなく、非常に限られています。リピートもあまりありませんですので、非常に一件のコンバージョンに対して価値をおいています」とビジネスマーケットについて語る。

 マーケットが狭いからビジネスにならないというわけではなく、平均300万円前後と利用額は大きい。このため1件のコンバージョンの価値は高い。舘田氏は続けて「大きなポイントは、結婚式場は、車や家と同じように必ず現地に見学に行ってからじゃないと完結しません。ということで地味なアクセス解析は大事です」とした。アクセス解析ツールを使ってさまざまな施策を行ってきたという舘田氏は、さまざまな発見をもとに施策を打ってきたという。

 「例えば、埼玉の地名とウエディングに関するキーワードの組み合わせが非常によいことを発見し、埼玉エリア特集をしました。エリア特集の施策を行った結果、コンバージョンの比率が従来比で9倍に増加しました。また、業務の改善という意味ではレポートの自動化も実現しました。毎回担当者が画面とにらめっこながらレポートを作るのではなく、数字の吐き出しやグラフ化を全部自動化したことによって、30%の時間を減らすなどしてきました」

ぐるなびウエディングがテストを実践した理由

 続いて舘田氏は、アクセス解析で効果を上げてきたにもかからず、テストやターゲティングに注目した理由について触れた。

 「念入りな施策を打ってみても、実際やってみたら大ゴケだったというのは日常的によくある話です。まずは、このサイクルを何とかしたいと思っていました。そして、Web担当者はよく会社から目標設定され、遥か彼方のゴールを目指して頑張れというようになることが多く、モチベーションの維持が難しいと言われています。そういった際にテストのサイクルを短くすることで短期的な目標設定がやり易くなるので、担当者のモチベーションがすごく上げやすいんですね。また、訪問者の直帰と離脱を防ぐことも理由の1つです。集客の上限が限られてるので、外部流入を増やす施策を打っても限界があります。私たちのビジネスは、いかに来た客を逃がさないかというところを突き詰めていかなければならないので、それをもっと機能的にしたいと考えていました」と説明する。

 舘田氏は、マーケター自身がテストを実施できるmboxに魅力を感じていたという。クリエイティブは外部に頼んでおり、テストのためにページをひとつ作るとなると大変だが、テストしたい部分だけなら社内でもできる体制となった。Test&Targetの導入にあたり苦労した点は、英語のインターフェースとテストを行う箇所の決定でオムニチュアにコンサルティングを依頼した。

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

 就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・翻訳ツールなど...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/10/27 19:51 https://markezine.jp/article/detail/8674

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