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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2009特集

PDCAが回らないのはなぜ?
間違いだらけの運用改善を正す【MarkeZine Day 2009】


成果を上げるポイント1~2

 続いて、中島氏は運用チューニングには

  1. シナリオの良し悪しを判断
  2. 良いと判断されたシナリオをどう検討するか
  3. 悪いと判断されたシナリオをどう検討するか
  4. 改善
の4つのステップがあるとし、各ステップについての説明を行った。

 

シナリオの良し悪しを判断

 シナリオを評価するには、流入施策×入り口で分類されたもの別にコンバージョンを見ていく。中島氏は「例えば、企業名で検索してきた人がトップページに入るとすると、これを1つのシナリオと捉えます。それと個別の商品ページ、例えばビタミンXだとすると、それに個別のリスティングとランディングページの組み合わせを1つのシナリオと捉えます。他にも商品名が同じでもランディングページが違えば別のシナリオと捉えます。このように、各シナリオがコンバージョンと紐づいたかどうかというのを見ていきます。サイト内の動きはブラックボックスにして評価をするわけです」と説明を続ける。

良いと判断されたシナリオをどう検討するか

 ステップ1でシナリオの分類ができたら、その良し悪しを判断することになる。良いシナリオの分析方法について中島氏は「例えば、Yahoo!経由のコンバージョンが70件、Google経由は40件という場合、Yahoo!経由のシナリオの方がよいと判断しがちです。この判断は実は危険で、問い合わせてくれた人が成約まで行ったかどうかを見ないと本当に良いかどうかは分かりません。この場合、Yahoo!のほうは成約が6名、Googleのほうは20名だったとしたら、Google経由のシナリオの方がよかったと判断します」と、最終ビジネス成果と紐づけて精査する必要性を語った。

 良いシナリオが見つかったら、コンバージョンに対してユーザーがどういう行動をしているのかを見ていく。中島氏はそこで面白い発見があるとし「Yahoo!のリスティング経由でランディングページに来てコンバージョンしたとなると、1回の訪問でコンバージョンに至ったように見えますが、データをちゃんとみると2日後に自然検索で再訪しコンバージョンしていたというケースはよくあります。弊社の広告効果解析ツール『ウェブアンテナ』などで分析してみると、30%程度は再訪によるコンバージョンで、多いときは70%ということもあります。ですから、良いと判断したシナリオで再訪が起きていないかを調べます」と解説する。

 また、再訪が多いシナリオには、ランディングページや広告で訴求している内容と本サイトの内容にギャップがあることが判明することも多く、そのギャップを埋めることでコンバージョンを上げられると説く。統計的に見てみると、商品の属性によって再訪率が大体決まっているとし、再来訪が少ないのは消費者金融のようなニーズが顕在化しているもので、それに対しBtoBなどの高額商品のように、商品内容が難しい場合にはどんどん再来訪の率が高くなるという。こうしたユーザー行動を踏まえると、ランディングページの良し悪しだけで離脱が起きているわけではなく、中島氏はセキュリティ会社の事例を紹介した。

 「データを分析して再来訪がすごく多いことがわかったため、ランディングページではほとんど申し込みへの誘導はせず、とにかくたくさん比較検討のポイントを挙げました。お客様が大切だと思っているポイントや他社に比べてた優位度のあるポイントです。そうすると、当然ランディングページからのコンバージョンは落ちましたが、1か月後に本体ページからのコンバージョンが爆発的に上がりました。ランディングページから一発で落とそうと思うとなかなか難しいので、こういう分析は効果的です」

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成果を上げるポイント3~4

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この記事の著者

森 英信(モリ ヒデノブ)

 就職情報誌やMac雑誌の編集業務、モバイルコンテンツ制作会社勤務を経て、2005年に編集プロダクション業務やWebシステム開発事業を展開する会社・アンジーを創業。編集プロダクション業務においては、IT・HR関連の事例取材に加え、英語での海外スタートアップ取材などを手がける。独自開発のAI文字起こし・翻訳ツールなど...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/10/27 21:48 https://markezine.jp/article/detail/8704

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