提供している機能が多すぎる
では、先にあげた『MarkeZine』の利用状況に関する仮説から、サイトの機能およびデザインの問題点を3つ挙げてみます。
【改善ポイント1 コンセプトと比べ、提供している機能が多すぎる】
MarkeZineサイトのグローバルナビゲーションには、「ホーム」の他に8つのコンテンツが並んでいます。

【グローバルナビゲーションから移動できるコンテンツ】
ニュース/記事/モバイル/カタログナビ/ブックマーク/フォーラム/ブログ/登録しよう
先の利用状況の仮説では、最新のニュースや仕事に役立つノウハウ、事例に関心があるユーザーをターゲットとしています。提供コンテンツのうち、「ニュース」「記事」「モバイル」の3コンテンツはこうしたユーザーの目的を満たすコンテンツであると考えられます。
また、仮説の中では、ソーシャルブックマークを使ったユーザーもターゲットとしています。ですので、これらの記事ページに設置されている、はてなブックマークなどのソーシャルブックマークへの登録ボタンや印刷ボタンは、ターゲットユーザーが必要としている機能を満たしたものとなっているといえます(参考:markezine.jpのはてなブックマークでの人気エントリー)。
一方で、「ブックマーク」や「フォーラム」を見てみると、登録件数はそれほど多くありません。ソーシャルブックマークを使っているユーザーは、すでに多数あるブックマークサイトの中によく利用しているサイトを持っているからというのが理由のひとつにあると考えられます。
Webマガジンは、最新のニュースや役立つ情報を入手するために訪れる場所であって、この場所でブックマークや議論することをユーザーは必要としていないということでしょう。
この状況は、サイトに対してユーザーが要求している項目以上に機能が存在していることを意味しています。ユーザーの要求項目以上に機能を提供するとWebサイトのコンセプトがぼやけてしまい、サイトの魅力や個性につながるアイデンティティを感じられなくなってしまうのです。