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MarkeZine Day 2009特集

ヴィレッジヴァンガードオンラインに学ぶ!
タイミングを逃さないECサイト戦略【MarkeZine Day 2009】

分析結果をもとにしたコンテンツ&ページ施策例

 分析した結果をどのように活かすか。それが本セッションにおける第二のポイントであるが、山本氏は「できるだけ多くの施策例を紹介したい」として、総合的な話ではなく、実際にヴィレッジヴァンガードオンラインで行った施策例を紹介した。

「集客」を目的にしたページ作成

 その1つが、通常の既存ページへの検索エンジン対策ではなく、「集客を目的に有効なキーワードを決め、それに基づいて特集コンテンツを制作する」という施策だ。サイトを解析した際、「“トイカメラ”がパフォーマンスの高いキーワードだ」という結果がでた。そこで、月間の検索ボリュームや掲載順位を調べ、その情報から“トイカメラ”が検索結果の上位に表示された場合の収益シミュレーションを実施し、最終的にROIを考慮した結果、施策対象にすることにすることに決定。「トイカメラ」の他、一緒に検索されやすいキーワードを盛り込みながら、検索エンジンに最適化した構造のサイトを作成したところ、50~60%流入数が上がり、売上も向上したという。

実際の集客を目的にしたページ
トイカメラ自体、関連商品が多くあるため効果も高い
実際のページ。トイカメラ自体、関連商品が多くあるため効果も高い

テストの繰り返しでクリエイティブの最適化

 また、集客だけでなくサイトを訪れたユーザーに対する施策も紹介。ECサイトでは、TOPページのキービジュアルやサイト内の各パーツ内でのテストが重要によって大きく効果が変わる。そこで、ヴィレッジヴァンガードでは下記の4パターンを出し分けながらテストを実施し、その中から最適と思われるクリエイティブを採用したという。この際、重要なのは、成功したものを単に採用するのでは、狙いを定めてプランニングをし、その効果を検証しながらテストをしていくことだ。なお、ヴィレッジヴァンガードオンラインでは、現在10個程度のテストを同時に実施しているという。

 このようなテストはメールでも行われている。テキストメールとHTMLメールを比較した際に、訪問者数はHTMLメールの方が多いが、1つのメールでのクリック合計数はテキストメールが多かった。HTMLメールはそのまま商品を見ることができるため、この先に何があるのか、わくわく感がなく、クリックする必要もないというわけだ。そこで、HTMLメールのコンテンツの1つとして商品画像にモザイクを入れるなどしたブラックボックス部分を作成。この施策によりコンバージョンや集客の向上につながったという。

クリエイティブでは素敵な左側のメールよりも
商品を上に押し上げ「はてなボックス」を設けた右側のメールの方が効果が高かった
クリエイティブでは素敵な左側のメールよりも、商品を上に押し上げ「はてなボックス」を設けた右側のメールの方が効果が高かった

タイミングを逃さないECサイト戦略6つのポイント

  • 売上げ=訪問者数×購買転換率×客単価に落とし込む。
  • KPIは施策と結びつける(ただし、正確な計測ができないこともあるので、施策は売上と直接結び付けない方が良い場合もある)。
  • 商品には、様々なタグがある。最適なタグづけが最適な施策を生む。
  • 単純に集客のためのページ作りが今後重要になる。似たような商材が複数ある場合さらに効果が高い。
  • 共通の成功方式はない。あくまでサイト毎にあるので、テストをしっかりして最適化を行う。
  • メルマガはパーソナライズとタイミングが重要。デモグラフィック以外のユーザーの趣味嗜好といったデータに基づいてセグメントした方が効果が高い。

 上記のように講演内容のポイントをまとめた後、最後に山本氏は「ECサイトはお客様を“集め”、いかに情報を“伝える”か。そして、“コンバージョン”した後、どうやって“もてなし”、最大の価値を生み出す“ロイヤルカスタマーに成長”していただくかが重要です。施策は色々あって迷うと思いますが、根幹にあるのはこの5つの要素をバランスよく行っていくことです」と聴講者に向けてメッセージを送り、講演を締めくくった。

Webサイトの成長戦略
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この記事の著者

伊藤 真美(イトウマミ)

フリーランスのエディター&ライター。もともとは絵本の編集からスタートし、雑誌、企業出版物、PRやプロモーションツールの製作などを経て独立。ビジネス系を中心に、カタログやWebサイト、広報誌まで、メディアを問わずコンテンツディレクションを行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2009/12/03 11:00 https://markezine.jp/article/detail/8989

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