“Consumer”から“Customer”へ落とし込む
この[B]の場合、DRMとマス広告の根本的な違いはどこにあるのでしょうか? B to Cの領域で考えてみます。
基本的に両者に求められているのは「Conversion数」です。両者とも母数が計れませんので、「率」は求められません。ここからは多少私見(暴論?)を交えてお話します。
マス広告では、「数」の質は問われません。消費者に広告媒体を通して何らかのアクションを起こさせた「数」自体が評価対象になります。「誰がどう行動を起こしたのか」は結果論としてしか語られないのです。
これに対しDRMが求めているのは、あくまで「あらかじめイメージしたターゲット層」に具体的なアクションを起こさせること。そして、その「数」が有効であることです。つまり結果論としての「数」ではなく、その「質(≒有効率)」が問われるのです。けして確率の差ではありません。
ここで言う「質」とは、例えばマンションの案内情報に対して、冷やかしでも資料請求数が多ければ成功とするのではなく、その後の成約率も考慮して「有効なアクション数」を稼げる消費者を掴まえられたか、というような評価指標だと思ってください。
つまり、単なる消費者ではなく「潜在顧客(Prospect)」を獲得するテクニックこそが、DRMの本質のひとつだと考えられるのです。
そのためにDRMマーケターは、市場のどこに優良な潜在顧客がいるのか、どのような過程を経ることで彼らを効率よく探し出すことができるのかを考え、広告そのもののコピーやデザイン、メッセージに落とし込む必要があります。スプリットラン(注1)などのテクニックを使ってフローそのものを絞り込んでいくのはこのためです。
余談ですが、最近Web上ではLPO(Landing Page Optimization)などの「申し込みページ」を自動的に最適化するソリューションが現れてきましたが、これもこの後者の考え方のひとつの応用なのかもしれません。
話を戻すと、つまりこの二つの過程をを[B](Consumer)→[A](Customer)と連動させて、はじめて効果のあるDRMフローが完成するのだというのが筆者の考えです(限りなくCRMに近いと思いますが)。
