ウィジェットの環境と利用する目的を考えて計画する
しかしながら、ただ漫然と行っていても十分な成果は得られにくい。いったいどのようにして、ウィジェットを企業活動に活かすのか。この点について小堀氏は「まずは試し続けることこそ成功への第一歩」と語る。
続けるためには、目的設定からコンテンツの企画開発、そして継続的な配布場所を見つけ、配布した後に効果検証を行い、再び制作の場にフィードバックするといういわゆる「PDCAサイクル」をまわすことが重要である。小堀氏は「ごく当たり前のこと」と前置きしながらも、「手軽にできるものだけに、ぞんざいになりがち」と注意を促す。
それではそれぞれの場面における注意点やコツにはどのようなものがあるのか。
まず、目的・目標設定場面で最も重要なことは「はじめる前に、目的を明確にすること」である。つまり、どのユーザー層をターゲットに設定し、どんなプラットフォームで、どんな効果を得ようとしているのか、をつかむことだ。
小堀氏はウィジェットの特性として「ウィジェット環境と利用する目的」に着目すべきと語る。
例えば、「新規層を取りたい」「顧客との親密さを向上する」という2つの目的に対して、「Webかデバイスか」、「パーソナルユースか共有か」という軸で、作成すべきウィジェットの中身や利用環境を見定めるというわけだ。そこを確定すれば、必然的に目的と環境に応じたコンテンツや機能が導き出され、アイデアもいろいろと出てくるだろう。
しかし、ウィジェットは使い続けてもらわなければ価値も半減である。そこで、効果的に変化を与えることで注目度を維持したり、キャラクターや遊びを意識して魅力度を向上させたり、ユーザーに継続的に利用してもらうための工夫が必要となるわけだ。小堀氏は、ウィジェットへのニーズは環境によって大きく変わると述べ、「ブログパーツは見栄え重視」「デスクトップは利便性」という傾向を紹介した。
そのクリエイティブの例として、小堀氏はまず、味の素の「アジパンダ(R)レシピTV」を紹介。毎日レシピが変わるだけでなく、取り置き機能なども搭載されており、キャラクターの魅力も人気に一役買っているという。
また、コナミの「ラブプラス お天気情報ウィジェット」は恋愛シミュレーションゲームのウィジェットであり、天気情報と女性キャラクターという組み合わせで人気を博している。いずれにしても、機能だけでなく、クリエイティブやキャラクターの秀逸さが人気を押し上げていると言えるだろう。