セグメント分けをせずOne to Oneマーケティングで嗜好の多様化に対応
One to Oneマーケティングは、このようなセグメント分けを一切行わないで、お客様の嗜好性を機械的に分析してしまおうというアプローチになります。
ただし、取り扱う商品・業態によって表現の方法は変わります。商材を数百万アイテムお持ちのお客様も居れば、数十アイテムのお客様も、中には1アイテムのみのお客様もいらっしゃいます。
それぞれのケースでOne to Oneをどう表現するかというと、お客様に対して特別な、パーソナルな扱いをするというのが重要になってきます。人間は誰しも特別な扱いをされたがっているので、そこをくすぐってやろうということです。
後は、お客様を適切に理解することも重要です。どんな内容のメールで、何通まで受け入れられるかという許容範囲は人によって違います。そこも適切にコントロールすることで、One to Oneマーケティングに近づいていきましょう。
さて、One to Oneマーケティングを推進する時にCRM部署のミッションは大きく2つに分かれます。
まずは個客理解。お客様の行動はどうだったか、購買のタイミング、属性に基づいた分析をやっていきます。
ロイヤリティを定義するためにライフタイムバリューを定義することも必要でしょう。お金をどれだけ、何回使っていただけるのか。商材に合わせてライフタイムバリューを評価しておきましょう。
あと、集計レポートをたくさん作ることも大切ではないでしょうか。私の経験則から言うと、とにかくたくさんの集計レポートを作り続けていくことで知見を見つけていく方が、結果的にはアクションにつなげやすいことが多いです。
CRM部署のもう1つのミッションとしては、コミュニケーションが挙げられます。
お客様にどうアプローチをしていくかという企画を立案したり、取り扱う商材・業界・ビジネスにかかわる業務知識を身につけたりすることが必要になってきます。
顧客理解のミッションは、業務知識が無くてもマーケティングと統計の知識があれば進められますが、商材・業界・ビジネスに精通していないとお客様に嫌われるコミュニケーションをしてしまうリスクがあります。
お客様に対して、例えば「50%OFF」「~~をプレゼント」といったインセンティブ提供型のキャンペーンでアプローチする手もありますし、新商品の告知や知識を身に付けてもらうコミュニティを構築するためのプロモーションを行うこともあるでしょう。
しかもお客様に情報を伝達させるためのチャネルも、コールセンター、Webサイト、モバイルサイト、メールマーケティングと多岐に渡ります。キャンペーンやプロモーションの内容と、これらのチャネルを最適に組み合わせてお客様に届けることが大事になりますが、この時に業務知識の有無が問われてきます。